阿久根市がおもしろくなってきた

阿久根市長選で竹原氏は落選した。竹原氏は落選の弁を

「西平氏にではなく、市職員組合に負けた。今回の選挙は彼らの力が大きかった」。

と語った。
全国的に地方は市職員の政治力は強い。市職員と竹原氏と対立する市議会議員は自分たちの既得権益を守るために必死に選挙運動をしただろう。その結果西平氏が勝利したといえる。

竹原氏の強引な専決処分のやり方は問題であるが、マスコミはなぜ竹原氏が強引に専決処分をしたのかということは余り報道してこなかった。
先決処分の内容は市民生活にとってプラスなのかそれともマイナスなのか。公務員の給料は適正か否か、役所仕事は今のままでいいのか、議員の給料と定数は適正かどうかという最も重要な問題を竹原氏は提起したのであり、そのことをマスコミは軽視している。
私も新聞等で読んだ時は竹原氏を単なる我がままで横暴な市長という印象しかなかった。しかし、竹原氏のインタビューを見たときに、彼が専決処分をする理由と内容をを知って彼の政治姿勢に興味を持った。

議員の給料と定数問題、地方公務員の給料と定数問題はこれからの地方政治の大きな課題だ。沖縄県民の平均年収は全国最下位であるが公務員の給料は30番台であり、しかも、国家公務員の給料の99%もある自治体もある。沖縄は県税収入よりも人件費のほうが上回っている。
自治体は人件費を減らして、その金を民間の経済活力化や社会福祉に回したほうがいい。



 ◇「阿久根変えて」複雑な市民の声

 鹿児島県阿久根市の出直し市長選に投票した有権者に投票先を尋ねた。「竹原市政」の是非を巡って市を二分した選挙戦。西平良将氏を「市の将来像を示した」と期待する声と、竹原信一氏を「市を変えられる」と評価する声とに割れ、複雑な民意が浮き彫りになった。

 行政経験のない新人の西平氏だが「新しい人で再スタートを」と前向きな評価にもつながっていた。建設業の女性(60)は「竹原さんはやり方がむちゃくちゃ。改革は必要だが、あれは破壊」と語気を強めた。男性会社員(53)も「市職員の給与カットなどは良いことだが、自分勝手で子供のようだ」と語った。

 一方、竹原氏へ投票した人に共通するのは「阿久根を変えてほしい」との思い。「昔の市長はなあなあだった」「市職員の対応が見違えるように(良く)なった」と以前の市政への不満があふれた。無職男性(65)は「暮らしにお金がかからないように減税するなど期待できる」と「実績」を評価した。

 ただ、投票先を明かさずに足早に立ち去る人も少なくなかった。ある高齢女性は自転車にまたがりながら「話したいけど、今は面倒な時期だから」と苦笑した。【河津啓介】



マスコミは竹原氏の「独善的やり方」と西原氏の「法律を守り、対話を尽くした手法で、地に足をつけた改革を断行する」を対決させて、西平氏が当選したことで「竹原流」に終止符などと報道していて、竹原氏の目的である、阿久根市の政治改革を西平氏もおなじように掲げていることを余り報道していない。
西平氏は竹原氏を「独善的で市長の資質がない」と批判し市政の正常化を訴える一方、


▽市職員給与を4年間で15%削減▽議員定数(16)の2~6削減--などの行政改革

を公約に掲げている。

竹原氏は専決処分で強引に改革をしようとした。一方西平氏は話し合いで政治改革をすると公約しているのであって、公約の内容では西平氏はどちらかというと竹原氏に近い。


竹原氏と西平氏の政治公約に大差はない。果たして西平氏は話し合いで市職員給与を4年間で15%削減し、議員定数(16)の2~6削減ができるのか。西平氏も議会と市職員の激しい抵抗に会うのは確実である。

竹原氏は市会議員で過半数を目指す闘いをはじめればいい。竹原派が市議会の過半数を勝ち取れば、竹原氏の政治改革はやりやすくなる。
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