バックで変わる主役
花等の撮影に気を付けなければいけない事の一つにバックの選択がある。
バックの良し悪しによって、主役の花が生きたり死んだりする。
バックが明るい色彩の場合は画面全体が明るい感じで綺麗に見えるが、主役の花がはっきりとしない。
鉢植えの花の場合は、鉢ごと主役の花が強調されるようなバックを選んで移動する。
やや暗いバックを選んで鉢を置く。
暗いバックの中に主役の花が浮き上がってくる。
バックの所々に木漏れ日の白点が出ているのも奥行き感を出すと共に幻想的な雰囲気も感じる。
ベランダの床をバックにする。
グレーのバックで主役の花が浮き上がってくるが、放射線状の黒い線がやや目障りだ。
前ボケと後ボケを利用したがバックの木が邪魔だった。
前ボケと後ボケを使う事によって主役の花を浮き上がらせる意図だったが、ファインダーを覗いている時にはバックの木は全く意識しなかった。
ファインダーを覗くときは画面の隅々まで良く見て注意する事が肝要だ。
左の写真も鉢を移動して写した。
バックは綺麗にボケたが一本の木が邪魔だった。
木が無ければすっきりとした絵になったと思う。
右の写真はカメラポジションを左に変え、主役の花を大きく、尚手前の花にピントを合わせて見た。
ボリューム感のある写真になり、バックもそれなりに単純化された。
ネモフィラの花。
バックは日陰の暗い所を選んだ。
バックには木のようなものが微かに見えるがあまり気にならない。
鉢植えの花の撮影は鉢ごとその花に似合うバックを探し、その前に鉢を置いて撮影するのが綺麗な写真を作るポイントだ。
バックをぼかすには、バックと被写体である花鉢の距離を大きく開ける事がコツ。
良い写真を作るには手間を惜しんではいけない。
路地植えの植物は動かす事が出来ないので、その花にあった良いバックを自分が動いて探すことが大事だ。
いずれにしても見た目で綺麗だな思いそのままシャッターを切っては多くの場合、見る人に感動を与える写真は出来ない。