バリチェロは2011年も続投?

 現役最多出走どころか、F1史上最多出走記録(292レース)更新中のルーベンス・バリチェロが、来年のシートも安泰らしいとの情報(正しくは「続投」じゃなくて「続走」だな)。

 ウィリアムズのチーム代表、サー・フランク・ウィリアムズは「ルーベンスがいなければ、我々はどうしようもなかっただろう」と語り、2011年も若いニコ・ヒュルケンベルグとルーベンスのコンビで戦いたい様子。確かに老練なドライバーと若いけれど大いに将来が期待できるドライバーの組み合わせは悪くない。

 しかしだ、もしルーベンスが2011年もウィリアムズのマシンをドライブするとなると2011年シーズン末には322レース出走と云う途方もない記録を打ちたてることになる。郷秋<Gauche>が「ルーベンスよ、早く引退せよ」と何度となく書いているのを記憶されている読者もおられることと思うが、どうやら郷秋<Gauche>の意に反してルーベンスはF1人生のページを更に書き続けることになるようである。

 情報筋は今年のトップ4、つまりマクラーレン、レッドブル、フェラーリ、メルセデスの各ドライバーは2011年も変わらないだろうとも伝えている。それはそれで面白いけれど、別の見方をすると、今シーズン序盤戦で非力なマシンながら非凡な走りを見せたドライバーも戦闘力のあるマシンには乗れないということである。それじゃまったくつまらんぞ。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、14日にご覧頂いた郷秋<Gauche>の小さな写真展会場の写真その2。14日に、この左側にもう2点展示していますと書いた、その2点の展示スペース。なんだか酷い写真になってしまいましたが、これしかないので恥を忍んで掲載いたします(^^:
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ストロボのディフューザーに関するQ&A

 「成瀬のマー君」さんから、こんなDMをいただきました。

 最近、クリップオンストロボをこっそり(?)入手しまして、仲間との飲み会等々で使っております。先日、乾杯のシーンでバウンスだ!と発光部を斜め上方に曲げたら天井が真っ黒!撮れた写真は闇夜のカラス。気を取り直して素直に直射に戻すとテカテカの影だらけで明るい部分が白飛び。光を柔らかくするにはディフューザーなるものが有効とのこと。自作するのも面白いですが、市販も含め効果が得られる方法やサイズはどのくらいなのでしょうか?市販のものは半透明のビニールを被せるタイプと、半透明プラスチックの四角い箱状のものがあるようですが・・・。お忙しいところ申し訳ありませんがアドバイスを頂けましたら幸いです。

 郷秋<Gauche>は里地・里山での撮影が多いので普段はストロボをほとんど使いませんが、最近は時々講演会などの撮影を依頼されることもありますので(室内での撮影を主としている方には笑われるかも知れませんが)その時の経験を踏まえて次のようにアドバイいたしました。同様のお悩みをお持ちの方が結構多いようですので「成瀬のマー君」さんのお許しをいただいて、ここに転載することにいたしました。

>市販のものは半透明のビニールを被せるタイプと

 これはソフトボールくらいの大きさのものです。出来るだけ球形になるように工夫して口のところを絞りこんでゴムを入れれば良いので自作も可能だと思います。その都度、クシャクシャにしたトレーシングペーパーを輪ゴムやセロハンテープで止めても代用できます。昔の漫画に出て来るおばあちゃんやお地蔵さんが被っている帽子の小さなものをストロボの首が曲がるところまで被せる感じです。

>半透明プラスチックの四角い箱状のもの

 ストロボの形状がそれぞれですので、専用の物が各メーカーから発売されています。しかしメーカー純正品は結構高価なので、私はアメリカ製の安(い)物を使っています。勿論純正品対応でモデル毎に専用の物が用意されています。

 前者が理想的な球面状になっていれば一番良いのではないかと思いますが、実際にはクシャクシャになってしまい「理想的」状態を常時保つのは難しいものです。後者はいつも四角い同じ形をしていますので、飛び切り良い時も無い変わりに、飛び切り悪いときも無いという感じでしょうか。同じ条件で撮り比べた事がないのでどちらが良いのか、申し訳ありませんが確実なことは郷秋<Gauche>には云えません。

 収納・携帯性は当然ですが如何様にも折りたためる半透明のビニール製が断然有利です。ストロボを買い換えても使い回しが効きます。半透明プラスチックの四角い箱状の物はストロボを買い換えたらこちらも買い替えになることでしょう。ちなみに郷秋<Gauche>が使っているものは、ストロボの頭に被せたまま専用のケースに収納できますのでそれ程かさ張ることはありません。

 デジタルカメラの場合には、ストロボを使わずにISO感度を思い切り上げて撮影すると云う方法も選択肢の一つです。宴会の時の記念写真だとするとプリントして参加者全員に差し上げる事も多いのではないかと思いますが、L判、KG判程度であれば画面の「荒れ」もそれ程気にならないのではないかと思います。ただし、この方法の場合には事前に自宅でご家族などをモデルにどの程度の感度まで使えるのかテストしておくことをお勧めします。

 また本番の撮影の時にも、シャッタースピードが遅いので「(坂本)竜馬になった気分で暫く息もせず身動きしないように」と事前にアナウンスします。酔っ払い相手だと結構ウケます(^^)。この場合、撮影者が手振れを起こしては様になりませんので、せめて一脚は用意したいところです。室内での記念撮影ですから広角レンズを前提に云えば、VR(手振れ補正機構)付きのレンズなら1/15秒、VR無しでも1/30秒なら3、4枚撮っておけば1枚は使えるショットがあると思います。ただしこの場合には、WB(ホワイトバランス)には気を付けてください。白い紙を用意して事前にマニュアルでWBを取っておけば完璧です。

 また飲食店の場合、営業中の店内が暗くても、実は調光器で明かりを絞っている場合がほとんどですので、お店の方に「記念写真を撮りたいので明るくならない?」と聞いてみるのも良いと思います。100%(全開)にしてもらうと1/30秒以上で切れる事が多いと思います。


 今日の一枚は郷秋<Gauche>愛用のストロボセット。実は同じストロボをもう1台持っています。D300は本体内臓のストロボをメインにしてワイヤレスリモートで複数のストロボを制御できるので購入したのですが、上の写真のように机の上での撮影にはありきたりの蛍光灯スタンドライトを二つ使うのが一番簡便かつ効果的なことが判り、二台同時の出番はほとんどない昨今です(^^;。
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小さな写真展の始まりと梅雨入り

 随分前からお知らせをしておりました写真展が今日から始まりました。始まりと云っても昨日書いた通り日曜日の夜に展示を済ませておりましたので、会場のコレットの定休日の月曜日をはさんで今日のコレットの開店と共に「自動的」にスタートです(^^;

 写真展のスタートと同時に梅雨に入ったようですね。今日は真夏の日差しだったのに今は傘を差して歩いている人もいるようです。梅雨入り宣言と同時に晴天が続いてしらけてしまう年もありましたが、今年は予報を見る限りでは暫く雨催い日が続きそうです。降るべき時に降ってもらわないと農作物も困りますからね、雨もまた良しとしましょう。


 夏の花かと思っていた、立葵(たちあおい)。考えてみるとこの花が咲いているのは梅雨の間。もっとも梅雨は俳句の世界では初夏とされる5月と7月の盛夏の間にありますから夏には違いはないわけですけどね。
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当たったこと、当たらなかったこと

 2010年F1第8戦カナダGPの予選結果がわかった13日に、幾つかのポイントについて郷秋<Gauche>的感想を書いた。別に「予言」というつもりは無かったけれど、幾つかの事はハズレたが、幾つかの事は当たった。それらのことについて簡単に振り返りたい。なぜわざわざ振り返るのかと云えば、その振り返りは今シーズンのチャンピョンシップの行方を占なうことにもなるからである。

レッドブルの連続ポールポジション記録を止めたのはマクラーレンのハミルトン
 優勝もハミルトン。2連勝したハミルトンはバトンに3ポイントの差を付けポイントランキングのトップとなり、トルコGP終了時点でトップだったウェバーはタイヤ戦略のしくじりから表彰台を逃し、イントランキングでも3位に後退した。が、レッドブルが不調であったりタイヤ戦略を失敗しただけではなく、マクラーレンのマシンの開発が進んできた結果であることを見逃すわけには行かない。それは2週間後のバレンシア市街地コースでより明快な形で確認する事が出来ることだろう。

アロンソの4位は殊勲賞もの。マッサが7位に留まったことを考えるとなおさら際立つ
 カナダは小さなアクシデントの多いレースだった。ちょっとした不運から大きくポジションを落としたドライバーが少なくないレースだったが、それとはまったく無縁に70周を走りきったドライバーもいるわけだから「運が悪かった」以外の要素が必ず存在するわけで、その辺りがF1ドライバーとして重要なスキルと云える。速いだけではなく、速くて強くなければチャンピョンにはなれないのである。

驚くべきはリウッツィ6位、スーティル9位のフォースインディアの大躍進
 結果としては周回遅れの9位、10位ではあったが、マクラーレン、レッドブル、フェラーリの各2台、メルセデス、ルノーの各1台が上位に来るとすると、残りのポイントを獲得できるのは二枠しかないわけだから、ここに2台揃って滑り込むだけの実力を身につけたフォースインディアは大したものである。

ウィリアムズは11-12位とまずまずのところに付けて来た。後半戦でのQ3進出に向けてカナダで弾みを付けたい
ダメだったなぁ。以上。

ザウバーの二人、この位置からのスタートはアクシデントに見舞われる可能性が大きいから要注意である。って、これくらい後ろだと問題ないか?
 小林可夢偉はスタートでのジャンプアップにより一番アクシデントの可能性の高いポジションに「いてしまった」のが不運だったか。18位のまま最初の数周を過ごしていれば違った展開もあったかも知れないが、結局はデ・ラ・ロサ同様エンジントラブルでリタイヤだっかもね。

 レースの展開を思い出すのも大変なほどいろんな事があったレースだったけれど、面白いと云えば面白いレースであった。繰り返さないが、上に書いた幾つかのポイントを踏まえてヨーロッパGP以降の数戦を見れば今年のチャンピョンが、来シーズン躍進するチームとドライバーが見えてくることだろな。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、柏葉紫陽花(かしわばあじさい)。葉が柏のように分裂していることからの命名です。花も普通の紫陽花のようはボール状ではなく、ソフトクリームのような形の房状となります。これから暫く度々紫陽花が登場することと思いますが、どうぞお付き合いください。
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写真展の準備完了

 15日(火曜日)から始まる郷秋<Gauche>の小さな写真展ですが、会場となるCAFE CORRETTO / カフェ・コレットが月曜定休ですので、日曜日が作品の搬入日となり先ほど写真をかけて帰って来たところです。

 実際に会場にかけてみると半切でも良かったのかな?という感じでした。今回の写真展の案内ハガキに使った写真だけでも半切にしてみようかなとも考えていますが、悲しいかなD70の撮ったものですので画素数的に半切に耐えられるかどうか、ちょっと不安です。500万画素あればA3ノビまでいけるとも云われていますので試しに焼いてもらって、その結果を見て判断しようかと思っています。

 初日となる火曜日は、夕方から閉店時刻まで会場にいるつもりでおります。平日ですのでこのためにお運びくださる方はいないかとは思いますが、念の為というのか気持ち的にと云うのか、なんだか落ち着かないので(^^;。


 会場はこんな感じ。画面左手少し離れたところにもう二点展示してあります。ちなみに手前のお二人は今日の夕方まで絵画を展示していたお嬢さんたちです。
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レッドブルを止めたのはハミルトン

 2010年F1第8戦、カナダGPの予選が終わった。レッドブルの連続ポールポジション記録がストップした事が最大のニュースかな。その記録を止めたのはやっぱりマクラーレンのハミルトン。ここ数戦のタイムを見るといつかは来るだろうと思っていたけれど、郷秋<Gauche>の予想より2、3戦早かった。

 アロンソの4位は殊勲賞ものだな。マッサが7位に留まったことを考えるとなおさらアロンソの速さが際立つ。同様にチームメイトに置いて行かれたバトンはアロンソの後ろの5位だが、タイヤに厳しいハミルトンと優しいバトンとを考えると、決勝レースでの差は予選ほどは無いかも知れないな。

 驚くべきはリウッツィ6位、スーティル9位とメルセデスの上を行くフォースインディアの大躍進だ。ここまで来るとは思わなかった嬉しい誤算。そのフォースインディアの後塵を拝すことになったがウィリアムズは11-12位とまずまずのところに付けて来た。後半戦でのQ3進出に向けてカナダで弾みを付けることが出来るか。

 ザウバーの二人はデ・ラ・ロサ17位、小林可夢偉18位と冴えない結果。ロータスに先行されなかったのは不幸中の幸いだが、この位置からのスタートはアクシデントに見舞われる可能性が大きいから要注意である。って、これくらい後ろだと問題ないか?


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、石榴(ざくろ)の花。原産地には諸説あるがいずれにしても地中海を取り囲む地域。日本へは923年に中国から渡来したとされている。日本に住み着いて10世紀を経ていることになるがやはり在来種とは違った趣を感じる花である。
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ご注意ください

 今日の新聞にケーズデンキのチラシが入っていたのだが、その中で一番目立っていたのがいま話題のソニーのNEX-5の広告。EVF(電子式ビューファインダー)やストロボが用意されていないのが郷秋<Gauche>としては不満だが(別に郷秋<Gauche>は買わないからいいけど)このクラスにAPS-Cセンサーを採用しながら同時にクラス最小最軽量を達成したことなどは大いに評価でき、2010年に登場したカメラとしては高い評価を与えられる一台となる事は間違いない。

 これからいろいろ書くに当たって予め断っておくのは、郷秋<Gauche>はこのNEX-5を使ってもいなし、カタログも見ておらず、あくまでもケーズデンキのチラシに書かれていることに基づく指摘であるということ。限られたスペースに、売りたい側の都合のよいことだけが書かれているのが新聞の折込チラシなので、あるいは誤解・勘違いがあるかも知れないが、それは多くの消費者が陥る過ちであるもあるわけであり、これは積極的に誤解をさせようという策略だと考えても良いのかも知れない。

 さて、ご注意いただきたい事の第一は「単焦点レンズキット」に装着される16mmレンズの画角である。APS-Cセンサーを使用したカメラの場合には焦点距離に1.5をかけると、永年なれ親しんだ35mmフルサイズにおける画角相当の焦点距離が算出される。つまりNEX-5に装着された焦点距離16mmレンズは、35mmフルサイズにおける24mmレンズ相当の画角となる。一般的なコンパクトタイプに使われているズームレンズは35mm相当からであり、広角側に拡張されたものの場合にもせいぜい28mmと云うのが相場である。

 そんな中で何故にソニーは24mm相当のレンズを単焦点レンズキット用に用意したのか理解に苦しむがその理由は、実は簡単。「奇を衒い」他社には無い超広角を用意しただけの話である。30年前の広角レンズは35mmがスタンダードであり、28mmはもはや超広角の入り口とさえ云われていた画角である。それが24mmなのだと云うのだから素人の手には余るはず。

 狭い場所で大勢の記念写真を撮る時には重宝する超広角だが、画両端にいる人の顔はそれぞれ外側に引き伸ばされ大きく歪む。手前にいる人は極端に大きく写り、二列目は良いとしても三列目にいる人の顔はかなり小さく写る。カメラ(レンズ)を上に向けてフレーミンクすると特に両端にあるものは画面の中央に向かって極端に倒れ掛かったようになる。ただし、いずれの場合にも画面に手前から奥までピントはきちんと合う。これらはいずれも(超)広角レンズの特性であり、だから(超)広角レンズは面白のだが、さすがに24mmともなると初心者にはちょいと荷が重いかも知れない。

 二つ目。ケーズデンキのチラシには「一眼レフカメラと同じセンサーだからキレイ!」と書かれていたが、レンズの性能に差がある、AF(オートフォーカス)の性能・精度に差がある、両腕を伸ばしての撮影スタイルから手(カメラ)ブレが起きやすいなどの条件が違うことから、「一眼レフカメラと同じセンサーだからキレイ!」を鵜呑みにするとがっかりすることになるので注意したい。

 三つ目。「とても簡単だからプロみたいに背景をぼかせる!」を真に受けないこと。特に16mmレンズが同梱される短焦点レンズキットの場合には先にも書いたとおり、被写界深度が深い超広角レンズの特性により「ボケ」はほとんど生じない。またダブルレンズキットの18-55mm(35mm換算27-82mm)のレンズでも大きな「ボケ」は期待できない。82mm相当の画角となる望遠側で、主たる被写体が極手前にあり背景が相当離れるところにあり、なおかつ絞りが開放の場合にはそれなりの「ボケ」を期待出来るが、この「ボケ味」に過大な期待をするとがっかりすることになる。

 本格的な「ボケ味」を楽しみたいのであれば、APS-Cセンサーを使用するカメラの場合にはやはり200mmまでの望遠ズームと自由に絞りとフォーカスポイントを選べる機構や、「ボケ味」を直接確認するための絞り込みボタンがあることなどが重要となる。例えばNEX-5を使って「ボケ味」を自由にコントロールするためには、レンズの焦点距離と被写体や背景との距離、絞りの値など幾つもの要素を加味する必要があるので、実はマニュアル操作の出来る一眼レフ以上に難しのではないかと思う。もしこれを「背景ぼかしコントロール」機能がすべて代行してくれるのだとしたら素晴らしいことなのだが・・・。

 以上、使ってもいないしカタログさえ見ていないNEX-5について書いてみましたが、大きく外れたことは書いていないのではないかと思います。「いやそんなことは無いぞ。偉そうに云うなら使って見ろ」との申し出があるならば、郷秋<Gauche>は喜んで使わせていただきますので、どうぞ遠慮なくお申し出くださいな。ソニーさん。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、干された麦。「実りの秋」と云う言葉があるように、米によって支えられてきた日本では秋が収穫の季節として認識されているわけですが、米の代わりともなる麦の収穫の時期は今、梅雨に入る前のこの季節です。ですから麦の収穫の時期を麦にとっての秋、「麦秋」(ばくしゅう)と云うのです。
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湾曲した撮像素子?!

 撮像体としてのフィルムは、勿論平面だ。湾曲しがちなフィルムをいかにして平面に保つかことに腐心さえしていたわけだが、デジタルの時代到来10年を経て、今度は積極的に湾曲させた撮像素子(正確には受光面)を搭載したカメラが遠からず登場するかも知れないというびっくりの情報。しかもNikon(ニコン)からである。

 カメラやレンズに関する高度に技術的な記事が掲載されるこちらのblogを拝見して「なるほど、発送の転換とはこう云うことなのだな」とつくづく感心した。詳しくはこちらの記事をご覧いただきたいが、郷秋<Gauche>が理解した範囲で判り易く説明すると次のような事である。

 カメラ(レンズ)メーカーは、湾曲したレンズを使用し、平面であるフィルム(あるいは撮像素子)上にいかにして均一な画像を結像させるか長い間努力を積み重ねてきた。その結果、多くの枚数のレンズを使用した巨大で重たい(かつ高価な)レンズが登場することになったのだが、発想を転換し撮像体の方を湾曲させれば極シンプルな構成のレンズで十分な解像度(均一なピント)を得られることになる。フィルム時代に成し得なかったこの技術(発想)がデジタル時代になって初めて実現可能となったわけである。

 ただし、レンズの光学特性と撮像体の湾曲の程度は相互の関係が重要なことから、現時点では各種のレンズに交換可能なSLR(一眼レフ)用ではなく、レンズ交換のできないコンパクトタイプ用の技術であると考えて良さそうである。この技術を利用すれば、コンパクトタイプのデジタルカメラはますます小型軽量、廉価かつ高性能となることは間違いないだろう。

 この技術(特許)はニコンが持っているわけだが、実際にニコンがCCDやC-MOSを製造しているわけではないので、たとえばソニーあたりに作らせて各カメラメーカーからは特許使用料を取る。つまり自社のカメラが売れなかったとしてもニコンの売上げは確保されるということになるのかも知れない。より多くの製品を売る企業が利益を上げる時代から、より多くの特許を持つ企業こそが利益を得る事が出来る時代だと云うことなのかも知れないな。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、咲き始めた紫陽花。球体に近い紫陽花の花(の集合)を撮ると画面の中心にはピントが合うが、四隅になるとピントが合わなくなってくる。被写界深度の深い、焦点距離の短いレンズを使ったり絞り込んだり工夫はするものの、小さなAPS-Cセンサーでしかも手持ちとなるとどうしても限界がある。事ほどさように、立体的な物を平面に写し撮るのは困難なのである。
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まもなく写真展が始まります

 郷秋<Gauche>の「小さな写真展」がいよいよ来週の火曜日から始まります。会場をご提供くださいましたCAFE CORRETTO / カフェ・コレットさんの定休日が月曜日であることから、日曜日の閉店後に作品をかけて、一日置いた火曜日(15日)からのスタートとなります。かなり前から準備を始めたつもりではいましたが、やっぱりというのか案の定、間際になってバタバタ。

 一昨日の朝、芸術学部を卒業して学芸員の資格を持ち、実際に博物館・美術館での勤務経験もある陶芸家のI嬢とたまたますれ違ったのですが、すれ違い様に「会期が長いんだから途中で入れ替えするよね」との鋭い指摘(^^;。実はこれをどうするかずっと悩んでいたんです。結局彼女の一言に背中を押され、会期の前半と後半とで半数の作品を入れ替えることにしました。でもその後がドタバタ。

 入れ替えに展示する写真はとりあえずプリントも仕上がり、後は裏打ちをして額装すれば出来上がりなのですが、カフェでの写真展特有の問題、つまり「見た作品の前でお茶を飲んでいるお客さんがいたらその目の前でじっくり鑑賞する事が出来ない」ことを解消する為に用意している「アルバム」はかなりの部分を作り直しとなり、おおわらわ。

 でも、何とか今晩中には仕上げて日曜夜の設営には余裕で間に合うようにしたい郷秋<Gauche>なのですが、こう見えても結構忙しくて、間に合うかどうか。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、東京都下某所の紅葉青葉。
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「小遣い」って何だ?

 消費者金融のレイクの調査によれば、サラリーマンの小遣いの平均が昨年より更に5,000円減少し40,000円になったとの事。更に細かなデータを見ると年代別では20代が44,000円なのに対して30代40,000円、50代38,000円と年齢が上がると共に減少している。未婚だと51,000円が既婚だと33,000円、子ども無しだと48,0000円なのに子どもがいると32,000円。共働きだと35,000円なのに奥さんが専業主婦だと31,000円。首都圏では52,000円なのにそれ以外の地域では37,000円と、当たり前だがその属性によって小遣いの額は大きく変わる。だから、一ヶ月の小遣い40,000円が当てはまるのはどんなモデルなのかがまったくはっきりしない。

 もっと判らないのが「小遣い」の定義である。手元にあった、日本一面白いと評判の新明解国語辞典第四版には「その人の日常的な雑費に当たるお金」とある。判ったのか判らないのか判らないような定義である。大体、日常的な雑費って何だ?雑費と云えば、誰しもが思い付く勘定科目にすんなりと分類(当てはめ)できない支出と郷秋<Gauche>は考えるが、もしそうだと仮定するならば、定期代は明らかに「交通費」、昼食代は間違い無く「食費」だが、この二つが小遣いに含まれるのか含まれないのかによって、小遣いの額が多いとするか少ないとするのか判断が大きく違ってくるだろう。

 例えば郷秋<Gauche>が自宅から恵比寿の会社まで通勤するとすれば(あくまでも仮定だが)、その定期代は一ヶ月13,450円。昼食代が一日600円とすると20日で12,000円。定期代と昼食代を合計すると25,450円。手元に残るのは僅か14,500円だ。風邪気味だったので会社の近くの薬局で1,500円の風邪薬を買った、4,800円でちょっといいネクタイがあったから買った。帰りに寄ったデパートでやっていた「北海道フェア」で娘が好きなロイズのチョコポテトチップを二箱買った。すると残りは5,000円。全品280円均一の格安居酒屋に一回行ったらお終いだ。

 って、随分みみっちい事を書いたけれど、果たして小遣いに含まれるものと含まれないものが明確になっていなければ「サラリーマンの一ヶ月の小遣いが40,000円」って、何の意味もない数字なのである。小遣いに定期代や昼食代が含まれる家庭(世帯)も含まれない家庭もある。床屋代がその中に含まれる家庭も含まれない家庭もあるだろう。仕事関係の本代は別会計の家庭もあるだろう。月に一台までなら中古のカメラ(ただしライカを除く)を買ってもいい家庭もあるかも知れない(あったら羨ましい)。

 郷秋<Gauche>は統計による数字が面白おかしく取り沙汰されるたびに書いているのだが、事ほど然様に数字、取り分けアンケート結果の数字ほど当てにならないものは無いのである。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、幾度もご覧頂いているすみよしの森の「トトロの切り通し」。週に一度は必ずこの切り通しを通るが、季節によって天候によって、その度に違った表情を見せてくれるから、楽しい。
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HMV渋谷店閉店

 渋谷のHMVが8月で閉店するらしい。一つの時代が終わったんだなぁと、思う。

 新聞等の報道によると渋谷店はHMVの日本進出1号店として1990年に開店したようだが、郷秋<Gauche>が知っているのはセンター街にある現店舗に移転した1998年からだからそれでももう12年かな。もっとも最近はCDを買うこと自体が少なくなっているし、必要なときにはネット通販で購入するので、センター街の店に最後に行ったのがいつなのか思い出せないくらい行っていない。

 郷秋<Gauche>がチェリストの長谷川陽子さんのオフィシャルホームページを立ち上げたのが1997年。HMV渋谷店がセンター街に移転した1998年にクラシックのフロアーでミニコンサートとサイン会を開催するというので、詳細はHMVのWebsiteを見れば判るだろうと思ってアクセスを試みたがWebsiteそのものがなかったのでびっくり驚いた記憶がある。1998年の春先の事だったように記憶している。

 1987年は、ちょうどガスパール・カサドに興味を持って楽譜やらCDを集め始めた時期でもあったので、都内に出た帰りには必ずと云って良いほどセンター街のHMVに寄ったものだが、どうしてもあの通りが好きになれずにいつも西武の方から遠回りしていた。郷秋<Gauche>のような古いタイプの人間には不評でも、あの場所は若い世代にとっては最適だったということなのだろうけれど、それもまもなく幕が引かれることになる訳だ。

 わずか10年間でCDの売上げが5239億円から2460円に激減したことを伝えるグラフを見たが、iPadの登場により今度はただでさえ縮小している書籍市場が更に小さくなるのではないかと心配でならない郷秋<Gauche>である。音楽の場合には演奏を聴く事が最大の目的であり、ジャケットやライナーノーツの楽しみはある意味副次的とも云えたが、本の場合には手にとってその装丁とその重みを感じつつ読むところにも多くの楽しみが潜んでいると思う郷秋<Gauche>はやはり古いタイプの人間なんだろうな。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、咲き始めた栗の花。桜を美しい花の代表とすれば、栗の花は美しくない花の代表と云えるかも知れませんが、この花が咲かないことにはあの美味しい栗を味わうこともできない訳です。
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写真展の準備状況

 毎日ご覧下さっている方には煩わしいこととは思いながら、ずっとこのページのトップでお知らせをいたしております郷秋<Gauche>の「小さな写真展」がいよいよ来週の明日か始まります。会場をご提供くださいましたCAFE CORRETTO / カフェ・コレットさんの定休日が月曜日であることから、日曜日の閉店後に作品をかけて、一日置いた火曜日(15日)からのスタートとなります。

 会場がカフェであることから、ギャラリーでの写真展とは違った工夫も考えております。つまり、ゆっくり見たいと思う写真の前でコーヒーやお食事を召し上がっている方がいると、その前に行って写真をじっくりとご覧いただくわけには行きませんよね。そんな時の為にご自分の席でゆっくりご覧いただけるような「仕掛け」(ただし純アナログ)も準備中です。

 また、前回のグループ展で「是非とも欲しい」と云うリクエストをいただきながらお応え出来なかったことを反省し、ご希望があれば展示している写真をリプリントしてお譲りする体制も整えました。展示する写真のサイズは四切ワイドですが、4週間展示することから写真の「波打ち」が生じないよう裏打ちも施しましたが、頒布する写真も長期間の鑑賞にも堪えられるよう同様式としたいと準備しております、

「明日でも良いことは今日やらない」主義の郷秋<Gauche>としては珍しく、既に展示する作品の額装も済んでおり、あとは日曜日に会場の壁に架けるだけになっていますが、展示点数が少ないのに対して会期が長いことから、ご覧下さった方々の反応如何によっては半分を過ぎたタイミングで半数程度の作品を入れ替えようかななどとも考えているところです。

 展示作品の額装は済んだとは云え、それ以外にも準備すべき事も結構多くて、あたふたとしている郷秋<Gauche>であります。写真展の会場・会期、期間中郷秋<Gauche>が会場に待機しております日時等にういてはこちらでご確認ください。どうせなら、是非とも郷秋<Gauche>が会場にいる時においでくださり、コーヒーでも頂きながらゆるりとご感想をお聞かせいただきまた、写真のこと、カメラのこと、その他四方山話などさせていただければ嬉しゅうございます。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、すみよしの森の小谷戸。里山と里地が一番輝いて見える季節である。
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またぞろニコンの噂

 Nikon Rumors にまたまた気になる「噂」が掲載された。一つは「怪しげ」なD4の写真。D3に比して全体的に角張った印象(特に向かって右下)だが、総じてD3S&Xの正常進化と云うか、見た目上はほとんど変わっていない。Nikon SLRの外観は1996年に登場したF5が完成形であり、もはや変わりようも無いということなのだろうか。

 Nikon(ニコン)の新しいフラッグシップに興味がないわけでは勿論ないが、如何せん高価すぎて郷秋<Gauche>の「FX」の選択肢に入らないからどうでも良いと云えばどうでも良いのだが、「D700の後継は高速かつ高感度のSと高画素のXに分化し、その登場は2011年3月以降になる」との情報には反応しないわけには行かない。

 D3のようにSとXの2系列に分化するのはともかく、2011年3月以前には登場しないというのはその真偽の判断は難しい。ニコンが絶対的な高性能を目指し、対キヤノン対策を織り込んで総力を挙げ開発に取リ組んでいるから時間を要すると云うのは理解できるが、余りに時間をかけ過ぎたために永年のファンをキヤノンに奪われるという事態も十分に考えられる。この当たりをニコンはどう考えているんだろう。

 より新しいDSLRを使えばより自然に近い色で、より高解像で、よりノイズの少ない写真を撮る事が出来るようになるが、それは良い写真と同義ではない。時として私たちは、勘違いしがちであるが、良い写真の最大の条件はテーマが明確かつ的確に表現されていることであり、その要素としては最も重要なものがシャッターチャンス(注)。さらに適切なレンズ(パースペクティブ)の選択と、フレーミング、そして露出である。

注:シャッターチャンスは一瞬のタイミングだけではなく、一見動きがないようにも思える風景写真においても重要な要素である事に代わりはない。例えば太陽と雲の位置関係、人物を点景として入れる場合にはそのタイミング(位置や人数、男女の別)など数分、数十分、数時間単位でのシャッターチャンスが存在する。

 最後に書いた露出に決定についてはある程度カメラの機能に依存することがあるが、シャッターチャンス、レンズの選択、フレーミングはいずれも撮影者が自身の判断で行うものであり、云うまでもなくカメラの機能とは何の関係もない。

 しかしなぜ写真家あるいは写真愛好家がより高性能(それは高価であることと同義である)を求めるのかと云えば、自分が「弘法」ではないことを知っているから、あるいは自分の写真が拙いのは自分に問題があるのではなく使っているカメラに問題があるからだと誤解しているかのどちらかである。

 自分が弘法ではないことを自覚している写真愛好家は、せめて「筆を選ぼう」としているのである。この場合にはより高性能なカメラを使うことによりより良い写真に近づく、云ってみれば「筆を選ばない」弘法に多少なりとも近づく事が出来るが、自分の写真が拙いのはカメラのせいであると誤解している人の場合には、いくら高価なカメラを使ってもその写真が良くなることはない。

 本当に上手い人は、実はこれ以上ないと云うくらいの高性能かつ高価なカメラを持っているのにあえて素人が使うようなカメラで撮ったりする。「弘法筆を選ばず」とは良く云ったもので、プロフェッショナル、アマチュアを問わずホントに上手い人はしょぼいカメラを使っても良い写真を撮るのである。郷秋<Gauche>も早くしょぼいカメラを持ち歩けるようになりたいものである。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、田植えの終わったばかりの田んぼで啄ばむ鴨。しかし、どうして鴨はいつもいつも「つがい」でいるんだろう。仲がいいのか単なる習性なのか。
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カメラは孫子の代まで使う?(その2)

 昨晩は、田中長徳氏が書いた「だいたい大昔はカメラって一家に1台、それを孫子の代にわたって使うというのが普通だった」を散々こき下ろした郷秋<Gauche>だが、氏が云わんとしていることは良く判る。つまり、氏は今のデジタルカメラが廉価でそのライフスパンが余りにも短すぎると同時に余りにも「薄っぺら」であると云いたいのである。

 昨晩書いたようにフィルム時代に名機と云われたカメラを実際に子供世代が使うことはあってもそれを孫の代まで実用にするのはまれである。戦前のライカは一軒が買えるほど高価であったと云うから、ライカにしてもローライにしても「孫子の代にわたって使う『覚悟』で」買うほど高価な買い物であったと田中氏は云いたかったのであろう。

 翻って現代のデジタルカメラはと云えば現役で使えるのはどんなに長くても4、5年。極まれに6、7年前のコンパクトタイプデジタルカメラを使っている方を見かけるが、その実用性はともかく、ボディの大きさや形状、モニターサイズを見ると博物館から借り出してきた物かと思う程である。

 さて、田中氏は「カメラは知的な遊びなのだ。」(アスキー新書)のなかで、デジタルカメラとクラシックなフィルムのカメラの併用を主張している。これはまさに郷秋<Gauche>の目指すところでもあるのだがフィルムで撮るための環境は、氏が「カメラは・・・」を書いた2008年3月時点から僅か2年数ヶ月の間で恐ろしい勢いで後退している。この早さはさすがの田中氏の予想をも上回るものであったことだろう。

 フィルムの選択肢が著しく狭くなってきている。価格がじわりじわりと上昇してきている。現像の取次ぎが毎日ではなく週2、3回と少なくなり、仕上がりまでの時間がかかるようになってきている。遠からず、大都市圏以外では取次店がなくなり現像所との往復は宅配便を利用するようになることだろう。そもそもフィルムで撮るためのカメラの選択肢がほとんどない。現在新品で買うことのできる一眼レフは事実上Nikon(ニコン)のF6とFM10、キヤノンのEOS-1Vの3機種しかないのである。

 そうは云っても、CDの時代になってもLPが完全になくならなかったように、楽しみの幅は狭くなってもフィルムで撮る事がまったくできない時代が来るとは郷秋<Gauche>は考えていない。大きな資本を投下しなくてもやっていけるのがアナログの良さでもあるはずだから。

 フィルムが今以上に改良され高性能になることはないとしても、今のレベルのものを作り続けることは可能なのではないかと、郷秋<Gauche>は思うんだな。まっ、少なくとも郷秋<Gauche>が生きている間はフィルムで撮る事を楽しむ事は出来るだろう。だから今のうちに撮るための道具も揃えておかねば(^^)。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、蛍袋(ほたるぶくろ)。子どもがこの中に蛍を入れて遊んだのが名前の由来と書かれている物があるけれど、そうではなくて、たまたまこの中に入った蛍が光を発した様子が美しかったのがその名の由来と、郷秋<Gauche>は考えたい。
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恩田の森、更新

 本日、恩田の森で撮影いたしました写真をこちらに掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
恩田Now 
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