唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
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68年前の葉書
長男としての義務を果たすために一泊二日で帰省してきた。90歳になる伯母(父の姉)にも会う事が出来たのだが、その伯母が持って来て見せてくれたのがこれ。
1945年8月10日に、弘前の航空隊入営を前に帰省していた父が、長野県に疎開していた横河電機に勤務していた伯母に宛てた書留・速達扱いの葉書である。弘前の航空隊に入営する事になりその準備のために帰省していること、入営前に是非ともお目にかかりたいことなどが青インクの小さな文字でびっしりと書かれていた。
父は偵察機もしくは爆撃機の操縦士となる訓練を受けることになっていた弘前に送る柳行李に荷物を詰めていた時に終戦になったと聞いていたからまさにその頃、終戦の5日前に書かれた葉書である。速達と云えども当時の郵便事情を考えれば、伯母がこの葉書を長野で受け取ったのは終戦の直前かあるいはその日であっただろうか。
いずれにしても父は飛行機乗りになることなく終戦を迎えた。命拾いしたと云う事だ。そのお陰でこうしていま、郷秋が駄文を書いていられるわけだが、飛行機乗りになりそこなった父は今でも飛行機が大好きで、2年前(大震災の直前)に上京した父を羽田の国際線ターミナルまで案内もした郷秋である。
blog:恩田の森Now(5月4日に撮影した写真を只今掲載中。今週末は休載とさせていただきます)
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