縮小光学系

 photorumorsによればMetabones(紹介しておきながら無責任この上ないが、どう云う企業なのか郷秋<Gauche>はまったく情報を持っていない)がSpeed Boosterと云う名の縮小光学系を持った、フルフレーム用レンズをノンレフレックス(ミラーレス)カメラに装着するためのマウントアダプタを発表したようである。

 通常のマウントアダプタは物理的なマウント形状の変換とフランジバックの長さを調整するだけで光学系を持っていない、云わば「素通し」のリングでしかないのだが、MetabonesのSpeed Boosterは縮小光学系が内臓されているのがこれまでのマウントアダプタとの大きな違いである。

 フルフレーム用レンズをマウントアダプタを介してノンレフレックスカメラに装着すると、イメージセンサー(フィルム)の大きさの違いから、APS-Cに装着すると1.5倍、M4/3に装着すると2倍の焦点距離のレンズと同等の画角になるのだが、MetabonesのSpeed Boosterは縮小光学系を内臓することでオリジナルの画角と同じ画角で使えるようになっているのだと云う。

 つまり、50mmのレンズはAPS-Cに装着してもFT・M4/3に装着しても50mmのレンズとして使用できるのだと云う。もう一つのポイントは、レンズの明るさはレンズの口径と焦点距離によって決まって来ることから、レンズの口径が同じまま焦点距離が短くなることから開放F値、つまりレンズの明るさがオリジナルのものよりも明るくなるのだと云う。確かに原理的にはそうなるはずである。

 フルフレーム焦点用のレンズをAPS-Cに装着した場合、焦点距離が約70%短くなる代わりに約30%明るくなる。具体的には、50mm F1.2のレンズが焦点距離35mm F0.9のレンズとして使えるようになると云う事である(レンズの焦点点距離は35mmとなるが、イメージセンサーの大きさの関係から、画角は1.5倍となり50mmとほぼ同じものとなる)。

 縮小光学系で思い出すのは、Nikon(ニコン)D1登場以前に存在したEシリーズである。E2は1995年9月に発売になった130万画素の2/3インチCCDを持つデジタル一眼レフであるが(ちなみに定価は当時として破格の低価格で110万円)、2/3インチCCD用のレンズが無かったために通常のニッコールレンズ(当然フルフレーム)が使えるように縮小光学系がボディに内臓されていたのである。

 2/3インチCCDを持つカメラの標準レンズ(50mm相当)は12.5mmと、クロップは×4となる。つまり50mmのニッコールレンズの焦点距離を1/4の縮小するための光学系が内臓されていた訳で、と云う事はとてつもなく明るい標準レンズとなっていたことにもなるのだが、このことを伝える文献を郷秋<Gauche>は未だかつて目にしたことがない。どなたか情報をお持ちであれば是非ともご教示頂きたいものである。

注:眠い目を擦りながらとにかく打ち込みました。誤字脱字、ミスタイプ、錯誤による誤記は明日以降に修正することを予めご承知おきください。

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