埼玉県で教員の駆け込み退職が急増

 Web上のニュースなどによると、埼玉県内の教員100人以上が、3月末ではなく1月末に退職するとのこと。民間と公務員の給与格差是正のための国家公務員の退職金減額に歩調を合わせるために、埼玉県が条例を改正して本年2月から段階的に退職金を減額することを決めたところ、県内の公立学校の教員ら100人以上が、3月末の定年を待たずに1月末で退職したいと申し出たと云うお話しである。

 条例改正後の3月末の退職金が150万円減額されることから、2・3月分の給与約80万円を差し引いても、1月末で退職する方が70万円多くなることからの駆け込み退職。それはそうだ。誰だったもらえるものは少しでも多い方が良いに決まっている。早く辞めない手はない。

 一連の報道によれば、駆け込み退職者の中には高等学校の教頭や小中高の学級担任もいるようだが、教頭だろう学級担任だろうと、2ヶ月早く辞めて70万円多くもらえる方を選ぶのは当然のことである。管理職としての職責よりも、担任する学級の子どもたちの事よりも、自分の事、退職後の生活の方が大切であるのは当然。誰だった他人の事よりも自分のことの方が大切なのである。今どきの埼玉県の教員の実に賢く計算高く、世間を生きていくとはこういう事だと、身を持って教え子に示す余りにも立派な教員振りに感服至極の郷秋<Gauche>である。

 さてここで疑問。教員100人以上が3月31日を待たず、より多くの収入を得るために2ヶ月前倒しで退職するとのことだが、退職金が減額されるのは一般行政職も同じではないのか。そちらの駆け込み退職は無いのかと云う疑問である。

 郷秋<Gauche>はさっそく埼玉県の公務員に占める教員の割合を調べてみたのだが、その数字にびっくり驚いた。埼玉県職員62,659人(2012年度。以下同様)の内一般行政部門は6,853人(10.9%)、警察部門が12,392人(19.8%)、公営企業等部門2,396人(3.8%)で、残りの41,018人(65.5%)が教育部門の公務員。教員等が全公務員の65%以上を占めているとは想像だにしていなかった。まったく郷秋<Gauche>の認識不足である。

 とは云っても、教員以外の公務員が34.5%いるのだから、3、40人の駆け込み退職者がいてもおかしくはないのだが、報道ではその事にはまったく触れられていない。となると、教員の駆け込み退職率だけが異様に高いのではないかと勘繰ってしまう訳だが、当たらずしも遠からずと云う事なのかも知れないな。

 もう一つの疑問は、埼玉県がそうであるならば他の都道府県でも国家公務員の退職金減額に歩調を合わせているのではないか、埼玉県以外の全国46都道府県でも同じような駆け込み退職者が急増しているのではないかと云う事だが、そのような報道は見聞きしていない。あるいは気が付いていないのは郷秋<Gauche>だけなのか?

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