唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
Imagine!
ビートルズ解散後に発表されたジョン・レノンの作品(何故かStand by meが紛れ込んでいるが)をピアノとチェロのデュオ、「アウラ・ヴェーリス」が演奏したアルバム「イマジン」(DENON COCQ-84989)である。アウラ・ヴェーリスはピアノと編曲の林そよか、チェロの林はるかの姉妹ユニットである。ちなみにはるかは1966カルテットのチェリストでもある。
さて、この手のアルバムで成否を分けるのは編曲である。大御所登場とあれば成功は半ば保証されるわけだが、このアルバムの編曲は既に書いたようにそよか氏。時にピアノが能弁に過ぎるきらいがあるのは自身がピアノを弾くことを前提にした編曲だからなのか。ライナーノーツの中で水原健二氏が「そよかは巨人を前に幾度となく立ちすくんだことでしょう」と書いているが、いつか若き日の作品として振りかえられる時が来ることを信じたい。
チェロはと云えば、郷秋<Gauche>の好みを云えば、もう少し柔らかな音色であって欲しかった。これが楽器あるいははるか氏の持ち味なのか、あるいはそのように鳴る弦をあえて選んだのか。その硬質な音色はいくつかの曲では効果的ではあっても、アルバムを通して聴くと、やりもう少し嫋やかな音色であって欲しかったと云う思いが強くなるが、若い二人のユニットにとってこれが初めてのアルバムである。今後を大いに期待したい。
ところで、シンプルなこのジャケットは、実に郷秋<Gauche>好みである。ジョン・レノンと云えばこの丸いメガネ。天地の短い、良く云えばシャープな印象のメガネが流行っている昨今だが、果たしてジョン・レノンが存命であったならば、今でもあの丸メガネをかけていただろうか。
追記:3回目、聴きました。チェロ独奏の「平和を我らに」、良いですね。なかなかの編曲です、でも最後の和音はどこかで聴いたことがあるような・・・。