山笑う


 愉快な季語である。泣いたり笑ったりしないはずの自然が、山が、森が笑うと表現するその豊かな感受性。四季の移ろいがある日本ならではの、日本人ならではの自然との関係性が現れた言葉と云えよう。

 手前には既に水が引き入れられた田んぼ、そして笑う山。大都市圏以外に住まう人たちにとっては何気ない日常の風景かも知れないが、人工物で覆われた都市に住む者にとっては、心洗われる風景である。

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