空蝉

 文字通り蝉の空(殻)。つまり蝉の抜け殻なのだが、これを見ているとどうしてだろうか、ただ蝉の抜け殻と云うのではない遠い昔の記憶、いや自分自身の記憶ではない何千年、何万年も前の記憶が蘇るような不思議な感覚に襲われる。


 この空蝉は我が家の物。横浜に越して11年になるが、数年前からクスノキの下に蝉の幼虫が這い出してきた孔が開き、空蝉を見るようになった。勿論昼間はクスノキとその隣なりのエゴの木で蝉が鳴いている。今年見つけた孔は七つ。我が家の庭で生まれた蝉が七匹いるということだが、孔の数は毎年少しずつ増えているような気がする。果たして来年はいくつの孔を見つけることができるのか、今から楽しみである。
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