年の夜

葱冬菜蕪菁葡萄酒鰤大根 郷秋<Gauche>

 俳句に解説は要らぬものとは思うけれど、判り難いと思いますの読み方だけ。「ねぎふゆな、かぶらぶどうしゅ、ぶりだいこん」と、詠んでお笑いください。

 さて、2007年も今日が限り。まもなく新たな年がやってくる。365日、手付かずの新しい年も良いものだが、ここは2007年の音楽界の物故者を偲んでみたい。
 
 8月16日にマックス・ローチが逝去(1924年1月10日生まれ、享年83歳)。マックス・ローチは1940-1960年代を代表するジャズ・ドラマー。コールマン・ホーキンス、チャーリー・パーカー、バド・パウエル、クリフォード・ブラウン、ソニー・ロリンズなど、キラ星のごときプレーヤーと共に演奏し、数々の録音を残しているが、極めつけはクリフォード・ブラウンとのセッション。

 1954年にマックス・ローチはクリフォード・ブラウン=マックス・ローチ・クインテット結成し多くの名演を生んでいる。郷秋<Gauche>はクリフォード・ブラウンの大ファンで、相当数のLPをコレクションしている。トランペット奏者としてはマイルス。デイビスと同じ頃にメジャーデビューしているが、1956年6月に交通事故により死亡しているために、今となっては知る人ぞ知る存在といる。

 12月23日にはジャズピアノの巨星、オスカー・ピーターソン(1925年8月15日生まれ、享年82歳)が逝去。オスカー・ピーターソンについては多くを語る必要はないだろう。夭逝したクリフォード・ブラウンとは違い、多くのアルバムを残しているが、郷秋<Gauche>としては、ジャズを聴き始めた頃に聞いた「カナダ組曲」かな。母国への思いを詩情豊かに表現した組曲。ジャズの名盤と言われることは少ないけれど演奏です。

 クラシック畑では、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(1927年3月27日生まれ、享年80歳)が4月27日に召されている。アレクサンドル・ソルジェニーツィンを擁護したことによりソビエト当局から反体制とみなされ、アメリカ合衆国に亡命。母国での名誉を回復するには20年を要することになるが、この辺りの姿勢はパブロ・カザルスとも通ずるものがある。カザルス亡き後、最高のチェリストと言われる訳の一つはこの辺りにあるのかも知れないな。

 2007年も多くの才能が召されたが、郷秋<Gauche>的にはこの3人を特に紹介しておきたい。

 さて、いよいよ今年もあと2時間と少々となった。この一年、勝手気ままに書き連ねてきたこのページ、そして「恩田の森」を度々お尋ねくださった皆さんに感謝を申し上げます。来る年も今年同様たびたびお訪ねくださいますようお願い申し上げます。
 最後になりましたが、新しい年が皆さんと皆さんの愛する人たちの健康が守られ、幸と実りの多いものとなりますようお祈り申し上げております。
 
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