福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

過剰歯をいつどうするか?

2006-12-26 | 口の中の問題

以前のブログにも書いていますが、上の前歯間や裏側付近に「過剰歯」といって、乳歯にも永久歯にも属さない余計な歯があることがあります。
歯の色や出来る時期から判断すると永久歯に近く、余計な永久歯と考えたほうが良さそうです。形は細く尖ったようなものが多く、方向が通常の歯と同様に下向きのものもありますが、逆向きや横向きのものも珍しくありません。
過剰歯があると、正常な永久歯が出るのを邪魔して永久歯が出てこないとか、出てきたけれども歯並びに影響を与えるなどがあります。過剰歯が発見されるのもそのような問題で来院され、X線で見つかる場面が多いようです。過剰歯の場所が、永久歯の並びの場所にあるとそのような影響は当然大きくなるわけですが、離れていると有意な影響はないと言えます。
親知らずもそうですが、生えずに埋まっている人も多いと思いますが、痛みが出たり歯並びがずれて来るなどの悪さをしない限り、あえて抜く必要はないと考えます。ある種の共存ですね。私も、左下の親知らずは完全に横向きで埋まっており何も症状が無いので、そのままです。
一方で、悪影響がある場合は抜くことになります。理屈的には早目が良い場合もありますが、治療される子ども達が何とか頑張れるのが第1です。小学生2、3年生以降位が適切でしょうが、子どもにも個人差がありますので、あまり無理をするものでもありません。
また、過剰歯が永久歯前歯の根に近接している場合、摘出手術で肝心の永久歯の根を傷つける可能性がありますので、そういう場合9~10歳ころまで待ちます。


向かって右側の永久歯の根の付近にある丸っこいのが過剰歯です。これくらいの位置ですと歯の出具合や並びにはほとんど影響ないので、そのままでもOKでしょう。ただしこの患者さんは、矯正治療で前歯部分も必然的に歯を動かしますので、永久歯の根が出来上がる時期(もうOKでしょう)まで待って、過剰歯を取ります。それから矯正治療開始です。

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