福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

舌小帯異常について

2015-02-19 | 口の中の問題

舌小帯が短いのでは、とお子さんの健診などで指摘され来院される場合が時々あります。
ネットで色々調べて、良くわからないので来院しましたというお話もあって、やはり直接診査をさせて頂きQ&Aをするのが理解が深まりますね。
よく分からないというひとつの原因は、それぞれの専門分野でスタンスが異なるということではないかと思われます。
最近あえて色んな論文を読んで、あらためて私の日常臨床でのスタンスを再確認いたしました。
ちなみに、現在当院では6か月~3歳未満、6歳以上くらいでレーザーを使用した処置を行っています。3歳~5歳で処置をあまり行わないのは、体動などでレーザー使用の危険性があるため。
乳児では、まだ体の力が大きくないので、短時間であれば動きを抑制できます。
舌小帯異常(短縮)で問題になるのは以下の2点。

*乳児期の哺乳障害(特に母乳の場合)
*舌の動きの障害による発音(構音)障害

これらの問題に対して

*舌小帯は生後数か月は自然に短縮が改善してくると言われているので、重症でない限り早期の手術は行わない。離乳食が始まると哺乳のみでないので大きな問題にはならない。
*中程度~重症の場合、構音が出来あがってくる前に(3歳になるころまで)に処置をする。ただしこの年齢範囲は発音の問題の判別には早い。
*軽度の場合、経過観察をしてしゃべりかたなど気になれば6歳以上くらいで処置。


レーザによる処置は基本局所麻酔は使用しますが麻酔範囲、使用量が少なく、短時間で終わります。
縫合不要で治癒も良好です。切開部位に弱い出力のレーザーを照射してかさぶた状の面をつくるのと、舌は基本動く部位なので、術後の癒着や再発は考えにくい(100%保障ではありませんが)。






上の写真のように舌を前に出すと真ん中がくびれ、ハート型になるのが、分かりやすい判別法です。
付着異常としては中程度だと思われますが、前に出るので搾乳にはあまり問題なし。
このようなくびれは舌の中の筋層の違いもあるので、通常の伸展処置では完璧に無くならないこともありますが、切除処置で機能的には問題なくなります。





発音とか滑舌となると前後もですが、舌が上方に動くのが必要。
この写真は下の先部分に筋が付着して、さらに前歯の裏側に繋がっていて、筋が短く重症な例。
発音に問題が出てくるパターンです。
ちなみに乳歯奥歯のインレーですが、世界広しと言えど、日本のみの処置。普通アマルガムかコンポジットレジンですね。インレーは手間がかかり、歯もいっぱい削り審美的ではありませんが、ぴったし出来ると経過はいいんです。
さすがに最近はめったに見なくなりました。



以上参考にお願い致します。





ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

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