福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

早期矯正治療が望ましい2例

2018-01-25 | 歯並び、矯正の話

永久歯前歯が出て来たくらいの年齢では、かみ合わせ歯並びの問題が出て来ることも少なくありません。
保護者の方からもよく相談がある時期です。
お子さんのクラスメートが矯正治療を始めているとか、身内から治療をまだ始めないの? とか言われて益々気になるということもあるようです。
私が良く説明していることは、
#1.現在ある問題から将来がある程度予測されます。
#2.将来像を考えたうえで、今の治療が有効性が高い(部分的治療で終わる、または全体矯正が簡単になる)と考えられる場合は早期治療をお勧めします。
#3.現在ある問題は分かりますが、将来像がまだ予測できない場合は、情報が増えて分かるまでもう少し待って、分かったら早期治療か、さらに経過観察かお話します。
#4.なので、経過観察をするというのは、早期治療の有効性が小さい、または情報不足で見切り発車が適切ではないからです。
このように、あえて経過を観ることについては、その理由を説明しています。







これらの患者さんは、骨格、噛み合わせ、歯の大きさなど含め、上の歯並び以外の部分に問題がないことが情報としてあります。
むしろ、放置しておくことで奥歯が前に移動して、前歯の捻じれを改善するのに充分なスペースが不足して来ますので、この時期の治療が無難で簡単です。
お二人とも小学校の中ほど。
そこで患者さん側のご希望に沿って、早期の部分的矯正治療をスタート予定です。
ちなみに、下の写真の患者さんは、鼻閉もあってお口ポカーンです。前歯のかみ合せが若干しっかりしていない開咬の傾向がありますので、あいうべ体操も頑張ってもらう予定です。
半年ちょっとで治療は終了しますが、後戻り防止の装置使用は生え変わりがほぼ終了するまで必要でしょう。
治療期間より、後のフォロー期間が長くなりますし、これが重要です。
治療前の検査のひとつですが、パノラマX線写真で生え変わり前の永久歯の形成状態や方向をチェックして、治療およびフォローの計画を立てることが重要です。

 



ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

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早期矯正治療が望ましい1例

2018-01-25 | 歯並び、矯正の話

当院で定期健診を続けている患者さん。歯並び噛み合わせの問題はあって、相談も受けていました。
軽症ではないと思われましたので、部分的矯正治療やマウスピース矯正などの第1期治療は効果的でないと考え、経過観察をしていました。
ところが最近の定期健診で、保護者の方から、前歯で良く食べ物を噛めないようで、とにかく最近は食べるのが遅いというお話を聞きました。
時期的には上下前歯が永久歯になって、生え変わりの前半が終わったところです。








歯のサイズが大きい割には歯並びの幅が小さく、上の前歯は外側に突出、下の前歯は内側に倒れています。
その結果、上下前歯が全く噛み合わない状態になっています。写真より実際は結構重症です。
噛みあわない状況は、下唇が間に入るような咬唇癖というのを誘発しがちで、その結果噛み合わせが悪化しつつあります。
将来的には全体矯正で、永久歯を抜歯する例になるかもしれませんが、成長期に悪化するのを放置はいかがなものかと考えます。
上下とも歯並びの幅を拡大して、そのスペースで上の前歯は内側、下は外側に移動して前歯を噛み合わせるという治療を開始予定です。
下の歯並びの拡大は骨の構造的にあまり出来ないのですが、この時期前歯を噛みあわせるために、便宜的に若干オーバー気味に拡大せざるを得ないと考えています。





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