冬休み期間の患者さんが多い時期が終わりつつありますので、今日は合間時間に最新刊を読んでみました。
患者さん向けにやさしく書かれた本で、「むし歯と歯周病の病因論」。私たちが読むことで、内容検証と、患者さんや保護の方に分かりやすく説明する際の手助けになります。
理論的には、虫歯も歯周病も細菌感染症ということが柱になっていますが、そのためには虫歯菌や歯周病菌が増えやすい場所の清掃、すなわちプラークコントロールです。
プラークコントロールというと、当然丁寧な歯磨きは誰もが連想します。
虫歯菌も歯周病菌も付きやすい、増えやすい部位はほぼ同じなのですが、この本でも必要性が強調されているのが、フロスの使用です。
歯間の歯磨き=フロスと言えます。
プラークコントロールと言う面では、むし歯予防はフッ素と言う強い味方がいますので、歯周病予防ほど丁寧な歯磨きは不要というのが現実的でしょう。
ただし、歯磨き頑張って、フッ素も使って、それでも歯間虫歯の予防は不充分というのも現実です。
それくらい予防にはフロスは重要だし、常識にしたいものです。
歯みがきの前に、まずはフロスをするというのも定着のヒントかも知れません。
部屋掃除もそうですが、まずは隅々を綺麗にしてから、全体を大きく綺麗にする方が、トータル的には清掃度は高いのかも知れません。
全体を先に綺麗にして、何となくそれで終わって、隅々がイマイチということもありがち?
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam
乳歯の時期に反対咬合でムーシールドをトライしましたが、治癒が不充分で永久歯との生え変わりもやってきて、しばらく経過観察を行ってきた患者さんです。
かみ合わせが深くがっつり逆ですね。上の前歯が見えません。
実は上の前歯がありますし、永久歯が出始めの時期です。
逆に噛んでいるため、上の前歯が下の前歯を押して若干痛みがあるそうです。
外傷性咬合と言って、反対咬合、交叉咬合では下の前歯で発生することがしばしばあります。
歯にとって良い状態ではありません。
噛み合わせの治療は上の前歯、永久歯が4本出揃ってからと考えていましたが、早めにスタートすることに変更。
一見派手な反対咬合位ですが、奥歯の噛み合わせのズレがそれ程でもないというのが、プラスファクターです。
これは別の患者さん。上下の前歯が永久歯に生え変わって、そろそろ第1期治療を検討する時期です。
思春期成長の前に、できるだけ良いかみ合わせをつくっておくと言うことです。
時期的にはOKなのですが、左上の奥歯(第2乳臼歯と第1大臼歯)が出ていないという問題もありますので、装置選択の工夫が必要です。
この患者さんは奥歯の噛み合わせのズレが大きいので、将来的には骨格的不調和が出て来るのではと思わせます。
現在は、年齢的に顎関節が完成していないので、下顎が後退する余裕があります。歯も移動しますが、下顎を後退させる要素も含めた治療計画になります。
どちらもイージーケースではありませんし、治癒に時間がかかると思いますが、将来の顎の成長を考えると、この時期の治療の意味が大きいと考えます。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam