福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

心臓病と歯科治療

2016-09-13 | 虫歯治療の話

当院は障害者歯科も行っていますが、典型的には自閉スペクトラム症や、知的障害などコミュニケーションが上手にできない患者さん、そして脳性麻痺など。
広い意味では有病者で心臓疾患があるとか、症候群で複合した奇形や障害がある患者さんなどが対象になっています。
成人でしたら中途障害や肝炎、糖尿病、腎臓病など病態が小児と異なります。
心疾患でも小児の場合は先天性心疾患が一般的で、歯科治療など観血的処置が伴う場合は注意が必要です。典型的には抜歯で、細菌性心内膜炎発症のリスクガ高いので、その予防が重要になります。歯科麻酔や神経の処置も観血的処置ですので、同じような配慮が必要です。
AHA(アメリカ心臓病学会)が出している基準に従っているわけですが、治療前に抗生剤を服用して受けるということです。

ペニシリン系のクラシックな抗生剤、サワシリン(アモキシシリン)が一般的です。
治療前1時間に1日量を服用して、治療の段階では抗生剤の血中濃度を上げておくというわけです。
多量なので、子どもの場合、若干服用に苦労することもあります。
むし歯治療だけでなく、虫歯が重症で神経への感染が起こっている場合など、それだけで心内膜炎を起こす可能性もあったり、心臓の手術の時の感染源になりますので、基本的に虫歯予防が重要と言えます。





ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

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過剰歯とは?

2016-09-13 | 口の中の問題

過剰歯とは文字通り余計な歯のことで、歯の発生段階からの数の異常です。
先天的に歯が欠如している人がいる一方で、過剰歯を持つ人も30人にひとり程はいます。
過剰歯も色んな部位に発生するのですが、どこでもという訳ではありません。一番頻度が高いのが上の前歯付近。






この患者さんは5歳で、最近上の乳歯前歯の裏側から尖った歯が出て来て、永久歯? ということで来院されています。
過剰歯のほとんどは永久歯由来ですので、乳歯のように脱落することはなく、部位によっては永久歯が出るのに妨げになります。
方向もこのように下向き以外に、横向き逆向きなど様々です。
向きが悪くて自然には出て来ないけど、永久歯への影響が出る場合は、ちょっとした手術が必要です。
不幸中の幸いで下向きだったので、このように自然に出て来たといえます。
上の写真では、過剰歯側の乳歯は過剰歯が出てくることで、生え変わりのような根の吸収があります。
また上の方にある永久歯(中切歯)は捻じれた状態が分かります。
現時点では緊急性はありませんが、近未来的には、過剰歯は抜歯して後の永久歯がスムーズに出てくるようにする必要があります。





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