福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

簡単には治りますが

2011-11-02 | 歯並び、矯正の話

前歯が永久歯の小学生の患者さん、上下の真ん中の歯(中切歯)が逆に噛んでいる、交叉咬合とか反対咬合という状況がありました。若干歯のねじれはありましたが軽度のため、前歯を裏側からスプリングで押し出す、リンガルアーチという簡単な装置で改善を試みました。2か月ほどで捻じれも噛み合わせもほぼ改善しましたので、しばらくそのまま固定(保定)の時期になります。




中切歯が永久歯で上下逆に噛んでいました。隣はまだ乳歯です。





あっという間に中切歯の噛み合わせは一応OKにはなりました。
ただし両隣の生えかわる永久歯、すなわち側切歯がどのように出て来るかはしばらく経過観察が必要です。
ちなみに前歯間の隙間はこの時期むしろ生理的なものですので、あえて閉じる時期ではないと判断しています。

真ん中の歯が逆に噛んでいる場合、その隣(側切歯)も内側から出て来て逆になる傾向がありますので、私の場合、上の前歯4本が出てきてから、一気に治す場合が多いです。時期的には半年くらい後になりますが、それくらいの期間放置しても基本的には問題ありませんし、一気に治すことで治療期間が短くなるというメリットがあります。
この患者さんの場合、保護者の方からのご希望があって早めの治療を開始したのですが、隣の歯が出てきてどのような噛み合わせになるかまで経過を見て、隣の歯も移動が必要になるかも知れません。その辺の期間を加えると、治療期間はやや長くなるでしょう。でも、奥にあった歯を早めに前方に移動して、前歯のスペースが特に前方に余裕が出てくることで、隣接した側切歯も前に出やすくなって、経過観察後は中切歯のみの治療で終了、という予防的効果はあるかも知れません。
細かい違いかも知れませんが、治療期間は短く、できるだけ簡単に、予防効果も考えて、どの時期がベストかを考えるわけです。反対咬合の場合、顎発育と関わることが多く初期治療後も長期の観察が必要になりますので、この時期どちらのチョイスでも大差はないとも言えますが・・・。
日々色んな患者さんを治療したり診ているからこその、迷いやこだわりということでしょうか。




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レーザーがやって来た

2011-11-02 | できごと

CO2レーザーといって軟組織の治療に役立つレーザーがあるのですが、購入を検討するために、しばらく試用することにしました。
以前大学勤務時代もCO2レーザーは使っていましたので、使い勝手は分かっていたのですが、昨日業者の方に持ってきてもらって説明を受け使用したところ、やはり新しい製品はコンパクト、使いやすさについては進化していますね。
まず、2歳の舌小帯短縮症の患者さんのOpeに使用しましたが、切除の場合、局所麻酔は必要ですが処置後の出血も全くなく、短時間で処置終了でき、良い感触でした。今日は他にも口内炎の患者さんとか、永久歯が出やすいように歯ぐきを切除する患者さんが来院予定になっていますので、使用させていただきたいと思っています。
もちろん価格は安くはないのですが、便利さと効果にはぐらっと来てしまいますね~。





Yoshida 社のオペレーザーLite という機種です。好評で売れ筋だそう。
ちなみにCO2レーザーと言えば、エステの世界で、ほくろ除去などにも使用されていますね。




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本音の続き

2011-11-02 | 歯並び、矯正の話

前回に続き、ある矯正歯科医の本音をご紹介します。まじめで頑張っていらっしゃるから、この本音には説得性があります。
前回をご覧でない方は、さかのぼってお読みください。
以下、紹介致します。小児の矯正治療の話です。


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1期治療の内容が早期治療かそうでないかは、ブラケットを使用するかどうかの違いと言っても過言ではないかもしれません。
明らかに将来抜歯症例だと思っても、今から本格矯正するには早すぎるし、早期治療はメンドクサイと思う、しかし、何も手を付けないで患者さんを待たせておくと他院に患者さんを取られてしまう。そう思う矯正医が勧める治療法が床矯正装置なのです。

勿論、床矯正装置が有効で有意義な治療となる患者さんもいます。
ですが、無駄に非抜歯治療の説明をして拡大床などの床矯正で1期治療を過ごさせる事は早期治療反対派の大道です。
単純に「非抜歯拡大矯正治療推奨の目的」の為に拡大床が普及している訳ではないのです。
でも装置を信じて使用し続けた患者さんは擦れ違い咬合になったり、既に支払った1期治療代が勿体なくて同じ病院で渋々2期治療で抜歯矯正治療に移行せざるを得ない、安いと思って始めた床矯正治療が実は本格矯正治療を含めた総額が100万円を超える、そんなケースもあるようです。

1期治療の相談で、「非抜歯治療可能ですよ!」
ブラケット付けるのは良くない、床矯正で安く済みます。

そんな患者さんが望む要望を何でも聞き入れ、都合の良い回答ばかりで、実は患者さんのデメリットを食い物にしているような矯正治療、あってはならないと思います。

私の治療では、1期治療で綺麗になった歯並びで数年間過ごします(小学校6年生あたりまで)。

糸切歯が八重歯になったら2期治療開始です。
八重歯が生える直前までは綺麗な歯並びですが、抜歯して犬歯が並ぶまで3ヶ月〜6ヶ月程度は八重歯の状態を過ごす場合があります。
連続抜去法で八重歯が生える直前に小臼歯抜歯して八重歯を経験することなく治療していく場合もあります。

2期治療は通常の本格矯正治療よりは早期終了になるケースが多いです。
1年6ヶ月未満で治療を終了した本格矯正治療では通常は後戻りが生じやすいですが、1期治療で叢生を先に改善しているため問題になりません。


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ずばりずばりとコメントされています。
私も床矯正は歴史的にもクラシックなもので、それだけでは解決しないだろうという患者さんが多いので使用していません。使うにしても、その後の治療の要否や、必要な場合の予測される時期や装置の種類、費用なども含めて説明して開始できればOKだと思います。
小児期の予防矯正、咬合誘導というのは、予測の部分があって難しい部分もありますが(技術的には簡単ですが)、成長期をうまく利用できればやはりメリットの方が大きいのは確かです。




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