漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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骨粗鬆症を漢方対策で:補腎剤

2012-07-17 | 老化・血流
先日、調剤薬での骨粗鬆症対策を紹介しましたが、
漢方薬でも骨粗鬆症の予防になるものがあるんです。

『補腎(腎を補う)剤』と言われる分類の漢方薬です。
ある種の補腎剤を用いた動物実験ですでに骨に対するよいデータが出ています。

ところで腎とは?
腎は骨を主り、髄を生じ、脳に通じる
その華は髪にある
腎は納気を主る
腎は水液を主る
腎は精を蔵し、成長・発育・生殖を主る
腎は上は耳に開竅し、下は二陰に開竅する

簡単に言えば、『腎』とは、
おしっこのみならず、ホルモン系、骨、脊髄、脳の面倒をみて、
生きるパワーを維持しているようなところ、というわけ。

西洋医学で腎臓のカルシウム再吸収作用が解明されたのは何年前でしょうか?
女性ホルモン減少と骨粗鬆症の関連が言われるようになったのは最近ではなかったでしょうか?
何千年も前から漢方医学に『腎は骨を主る』と明記されているのは驚きですよね。
さらに副腎や卵巣、精巣と脳とのホルモン連絡網のすごさは今更驚くこともなく、
上記の文の中にすっかり言い尽くされています。
臨床医学、恐るべし。

というわけで補腎剤は老化対策の筆頭であり、
また当薬局では不妊症や無月経対策でも盛んに用います。

それにしてもなぜ補腎剤がこんなにパワーがあるんでしょうか。
たかが草木(と少しの動物薬)が入っているだけです。
たとえば巷で有名な八味地黄丸をみても、脾、肝、腎を養生する生薬が
配合されているだけなのです。
当薬局でも、高齢の女性で足腰の痛みで八味地黄丸を服用しているうちに
杖を忘れて帰られてしまうほど元気になった例もあります。

バランスが整い体全体がスムーズに代謝されていれば骨代謝もしっかり行われるということでしょう。
そして、こまごました理屈はそのうち何十年か経ったら最新医学で解明されることでしょう。

近所の住宅街の中にある自然公園で。


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