漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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睡眠(体温と寝汗)・冷え性の人、ほてる人

2011-12-14 | 漢方的話題
眠たくなると手足がぼーっと温かくなるのは手足から体温を放出しているからです。
寝ているとき暖かいと感じるのも熱を放散しているからで、実は体温は下がっています。
脳や体を休めるために冬眠みたいに体温を下げているのです。
(逆に寒気がするのは体温を下げまいとする反応)

散熱する部分は手背(手の甲)、足背(足の甲)、太腿の内側で、
血管が拡して散熱します。同時に同じ部分から寝汗もかきます。
昼間に汗をかく場所と異なりますね。

冷え性の人は、体の熱を逃がすまいと手足の末梢血管が収縮していて
体温が下がりにくく、寝つきが悪く眠りが浅くなりがちです。

そこで
(体の休息態勢を導くヒント)
・手足を冷やさない
・寝室を適温に保つ
・入浴はぬるめにし就寝直前に入浴しない
・就寝前2~3時間はリラックス
・夜食をしない
・女性の場合高温期には脇の下を少し冷やしてみる
(参考:武田薬報465号 体温と睡眠 内山真)

寝汗で目が覚める人(ほてる人)は
成人なら一晩にコップ一杯くらいの寝汗をかくといわれますが
特に入眠後1~2時間そして最も睡眠が深くなるときにたくさんの汗をかくそうです。
この時体温がぐっと下がります。
健康な状態なら寝汗をかいても目を覚ますことはありません。

漢方的発想にいう「陰虚」では「寝汗を頻繁にかく」という症状があるのですが、
陰虚つまり潤い分(ここではラジエーターの水というべきか)が不足していると
夜になっても陽気(日中の活動エネルギー)が裏に入りきれず寝ている最中も動いてしまう状況で、
体はほてりやすく眠りも浅いので、寝入るたびに寝汗をかいてはまた目が覚めるということになります。
漢方対策は、ほてりをさましたり潤いを補う生薬が配合されたものを用います。
(ex.六味地黄丸、八仙丸、瀉火補腎丸、二至丹など)

陰虚タイプの人は休眠態勢を導くヒント(上記)に加えて
激辛や熱過ぎる食べ物を避ける
すっぽん、豚肉、なまこ、牡蠣、あわび、牛乳、豆腐などは
潤いを補って余分な熱を冷ます働きがある。
夜更かしするほど陰分は消耗するので、早めに寝る
などを実行してみてください。


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