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漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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森見登美彦「有頂天家族」覚書

2010-08-31 | 
狸一家(母と息子4兄弟)とその親戚連中と高慢な天狗とそしてずるい人間が登場します。
有頂天になって笑えます。

京都のあちこちを舞台にして起こる奇想天外な事件の様子が
微に入り際を穿つ表現によって、狸や天狗やその他もろもろの
必死の形相がクローズアップされ、まるで劇画を見ているかのように
頭の中をめくるめくのです。

狸一家は糺ノ森(ただすのもり)に住む下鴨家。
悪名高いその叔父は夷川(えびすがわ)早雲。
その息子2人は、輪をかけてずるいことばかりに頭を働かせる金閣、銀閣。
狸連中の師であり超わがままな天狗は如意ケ嶽薬師坊、またの名を赤玉先生(赤玉ポートワインが大好き)
その天狗にさらわれたうら若き娘(人間)で今や赤玉先生を手玉に取る弁天、本名鈴木聡美。

もうこの登場人物だけで相当面白い。

狸界の長「偽右衛門」を決めるくだりは、後援会回り、根回し、騙しあい、
誘拐拉致、売り渡し、なんでもあり。
(日本の長を決めるのにそんな品のないことはしないと思うけど、ってちょっと危ういこの頃です・・・)


森見登美彦ブログ「この門をくぐる者は一切の高望を捨てよ
 その中の記事・有頂天家族

森見登美彦 1979年 奈良県生まれ 大学時代を京都で過ごす