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漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
http://kampo.no.coocan.jp/

よもぎ・桃の節句(薬膳、食育)

2006-03-01 | 薬膳・食育
(この写真は去年の3月の白い桃の花です。)

もうすぐ桃の節句。今では白酒ですが、江戸時代は、桃花を桃花酒として振舞われたそうです。

そして『よもぎ(ヨモギ、蓬)』。
これは、草餅にしますね。
春を迎えて、ようやく地面から顔を出した若々しいよもぎを摘んで、軽くゆでてから刻みさらにすり鉢ですります。
これを餅と混ぜて作ります。

漢方では、よもぎを「艾草(ガイヨウ)」といい、消炎、血行促進、収斂などのはたらきがあります。

桃の節句は、五節句のひとつ。節句は季節の草や木に関連していて、季節に応じた邪気を払うのが目的です。

【五節句】
人日(じんじつ)正月7日 お正月の七草(七草粥)
上巳(じょうし)3月3日 3月の上巳の桃・よもぎ
端午(たんご) 5月5日 5月の端午の菖蒲(ちまき→江戸時代以降は柏餅)
七夕(しちせき)7月7日 7月の七夕の竹・瓜
              (さくげ→江戸時代以降はそうめん)
重陽(ちょうよう)9月9日 9月の重陽の菊(菊酒)
 
季節感を大切にしたいですね。


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黒豆ごはん(薬膳、食育)

2006-02-22 | 薬膳・食育
お正月を過ぎると、すっかり忘れられてしまう黒豆。
先日スーパーに行ったら、正月の売れ残りなのか安売りされていました。
これは、使わにゃ損。

黒豆は、「まめに働くように」という願いをこめるだけでなく、腎を補い、腰痛、視力減退、むくみなどによい、血行促進効果もあるといわれます。
(活血、利尿、解毒、滋養)
大豆サポニンや不飽和脂肪酸はコレステロール値を下げる効果があるそうです。

【腎の話題】
成長・老化・生殖系
物忘れと脳の老化
体の穴に現れる『腎虚』の症状

黒豆ごはん
このご飯はとても簡単、そしてお腹いっぱいになります。

【材料】4人分
黒豆     0.5カップ
米      1.5カップ
シメジ    1パック
桜エビ(乾燥)大さじ2
しょうゆ   大さじ1.5
酒      大さじ1
塩      少々

【作り方】
米をといでザルにあけ、水気を切っておく
黒豆は乾いた布で拭いてから鍋やフライパンにいれ、全部の黒豆の皮に裂け目が入り香ばしくなるまで中火でから炒りする
炊飯器に米と炒った黒豆を入れ、水2カップを加えて30分ほど置く
桜エビ、酒、醤油、塩を加えてざっと混ぜ、シメジも加えて炊き上げる

豆尽くしでいくなら、青菜を散らした熱々のお味噌汁、そして精をつけるなら、寒いときが旬の白子のお吸い物などを添えてどうぞ。

黒豆を炒って使うところがミソ。
長時間水に浸していないのにちょうど良い硬さに仕上がります。
素材の食感が楽しい。
干しエビのサクサク、シメジのこりこり、黒豆のもっちり感
この組み合わせが絶妙です。
そして香り。
エビ、シメジ、黒豆の香ばしさのハーモニー。
なんだが、眉唾ものの料理番組みたいな表現になってしまいましたが、一度お試しあれ。

黒豆汁がいいと聞いて、以前飲んだことがあります。
砂糖を入れないほうが良いとかで、黒豆を煮て味をつける前の煮汁を飲みましたが、とても飲めたものではありませんでした。
この黒豆ごはんなら煮汁も全部食べられるので、お勧めです。


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エビのニンニク炒め(薬膳、食育)

2006-02-10 | 薬膳・食育
中医学的にいえば、冬が『陰』で夏が『陽』。そして春は『陰』の中から『陽』がどんどんあふれ出てくるときとでもいえるでしょう。

体の『陽』の気をぐんぐんアップしないと、気候の変化についていけず、眠気やだるさがあらわれたり、気分がイライラしたり、腹痛やさしこみを覚えたりします。

春の養生法

気が停滞すると

そこで、エビ。
エビは、元気をつけ体を温める働きがあります。
手足が冷えたり、寒がりの方にお勧めです。

香ばしいエビのニンニク炒め(香蒜対蝦シアンスワンドゥイシア)
(すごく簡単、5分でできます!そして美味しい)

【材料】4人分
ブラックタイガー 12匹
ニンニク     1~2片
サラダ油     大さじ2
塩、こしょう、旨み調味料

【作り方】
エビの頭を取って軽く水洗い殻つきのまま背中に包丁を入れて開く
背わたを取る
にんにくをみじん切りにする
中華なべにサラダ油大さじ2を入れて熱しエビを炒める
色が赤くなったらいったん取り出しておく
その中華なべにニンニクを入れきつね色に炒める
先のエビを再び加え、塩コショウ旨み調味料などで味付けする

【盛り付け】
炒めたエビの開いた背を上にして皿に盛る
開いた背のなかにニンニクを盛り付ける
サラダ菜やブロッコリーなどを周りに飾る

エビを殻ごと炒めるので思った以上の味が出ます。
この日は、黄色いパプリカがあったので添えてみました。エビはブラックタイガーではありませんが(たぶんブラックタイガーのほうが赤い色があざやか)。
気のめぐりをよくするショウガのみじん切りも一緒に炒めたので、香りも体の温まり方もとてもよかったです。

イライラする人は、やわらかい香りを持つ野菜を添えて。たとえばセロリや春菊、レモンなど

追伸:料理の写真を初めて撮ってみたけど、蛍光灯の白っぽい明かりだけだと、出来立てのホカホカでも冷めた感じに見えますね。
オレンジ色の光源を探して次回チャレンジしてみます。


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秋、「白きくらげ」に凝ってます

2005-10-28 | 薬膳・食育
仕事上、中国の医師と会うことが多いのですが、ひとりの女性中医師から聞いた話で、中国に帰国したときには、白きくらげをたくさん買って戻ってくるのだという。
肌にとてもよい食べ物だそうで、中国人はよく食べるのだという。

かの西太后が毎日おこなった美容法のひとつに、朝食には一晩かけてゆっくり煮込んだ白きくらげをゆり根と一緒に食したそう。
また、中医学的には白きくらげは、肺を潤すので秋にぴったり。
実際、食物繊維やカルシウム、ゼラチン質を多く含むということなので、お肌も潤うにちがいないよね。

料理法としてはとりあえず調理時間の少ない、サラダやポン酢での和え物で食べることが多いけど、昨日は、生ひじきと合わせてごま油風味のドレッシングでなかなかグーでした。

西太后の一晩かけてゆっくり煮込むって料理は、どんなんでしょうね。
想像するだけで肌がふっくら潤いそうです。

ちなみに、白きくらげを漢字で書くと「銀耳」です。