『生きるべきか死ぬべきか 』 エルンスト・ルビッチ監督 ☆☆☆☆★
詳しくは知らないが、エルンスト・ルビッチはベルリン生まれの映画監督で、20世紀前半にハリウッドで活躍した人らしい。コメディが得意で、あのビリー・ワイルダーの師匠である。ということは三谷幸喜の大師匠ということになるのかも知れないけれども、まあそれはそれとして、本作がいわゆるシチュエーション・コメディの傑作であることは間違いな . . . 本文を読む
『誕生日』 カルロス・フエンテス ☆☆☆☆
フエンテスの『誕生日』を読了。正直、ストーリーはわけがわからない。「きわめて難解」と評される小説らしいが、それも納得。全体のムードは『アウラ』によく似た、幽玄味溢れるゴシック風の幻想物語である。小説はある館の中に記憶を失った男と、老人と、女がいるところから始まる。背景や事情の説明は一切ない。やがて時間軸が錯綜し、人物も誰が誰かよく分からなくなって . . . 本文を読む
『Sleeping Gypsy』 Michael Franks ☆☆☆☆☆
これも私が最近知ったフュージョン名盤シリーズの一つ、マイケル・フランクスの『スリーピング・ジプシー』。有名な作品らしいので、最近ようやく聴いて「これいいなあ」などとほざいている私ごときが薀蓄を語る資格はないわけだが、簡単に言うとソフト&メロウなサウンド、ジャズとボサノヴァをミックスしたようなリラックスしたいぶし銀の . . . 本文を読む
『ランゴリアーズ』 スティーヴン・キング ☆☆☆★
休日に気軽なエンタメを読みたくなって再読。これはキングの中編集で、「ランゴリアーズ」と「秘密の窓、秘密の庭」の二篇が入っている。「秘密の窓、秘密の庭」はジョニー・デップ主演で映画化されたが、私は観ていない。
私が好きなのは「ランゴリアーズ」の方で、これはB級っぽいSFサバイバルものの雰囲気がなかなか愉しめる。「漂流教室」と同じパターン . . . 本文を読む
『Mountain Dance』 Dave Grusin ☆☆☆☆☆
デイヴ・グルーシンといえば映画音楽、という印象をずっと持っていたが、この人はフュージョン界の大御所でもあるのだった。こんなことはジャズ/フュージョン・ファンにとっては常識なんだろうが、これまであまりこの手の音楽を聴かなかった私にとっては最近になっての発見なのである。
以前書いた通り、私は『天国から来たチャンピオン』と . . . 本文を読む