江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

見て学ぶ

2013-05-22 00:30:36 | 日本の文化について
今日は着物の話。
人形に着せる着物や着付けは、浮世絵を良く見て参考にしなさい
とは竹田扇之助師からの助言。
その以前から浮世絵は折あるごとに見てきた。
そこで感じるのが、
最近の着物を着ている人は、胸元をきっちり締め過ぎているということ。
中には詰襟のように見え、堅苦しく感じる。
男も女も色気を感じないのだ。

浮世絵もそうだが、江戸末期から明治初期にかけての写真を見ても
正装ですら胸元は緩やかだ、もちろん決してだらしないわけではない。

歌舞伎を見ると、例えば仁左衛門さん、
病気をされて尚一層瘠せられたが、
胸元をたっぷりと緩やかにした町人姿などは、
惚れ惚れする男っ振り、色気たっぷりなのだ。

今の人は着崩れを気にするのだろうが、
着方なのではないかと思っている。

人形の衣裳は、今までの全てを古着で賄っている。
人から頂いたものばかり。
これまで相当数古着をほどいてきたが、
つい先日ほどいた着物は、実に感心する程ほどき易かった。
程よく、そして理にかなった手抜きをしていて無駄がないだけでなく、
丁寧な縫いなのだが、女性が縫ったのか糸目が柔らかい。
私自身がほどき慣れてきたということもあるかもしれないが、
それだけではない、
やはり縫い手が上手いのだ。

私たちの衣裳の羽織は、呉服店で仕立ててもらっているが、
残念ながら年々縫いが粗くなっている。
初めて仕立ててもらったときは、それは綺麗だった。

手拭の染めも、粗さが目立つようになってきた。
糊付けが粗い。

風呂敷も同じように染められなくなった。
職人さんが廃業してしまったのだ。

淋しい話だが、日本の技術はどんどん失われている。
需要がなく食べていけないからで、
それも”時代”なのかもしれない。
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