江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

20周年記念公演

2013-01-24 00:35:09 | 日記
私が師匠の元を離れ「江戸糸あやつり人形」を設立したのは、1992年。
あれから20年が経った。
そこで今回の公演は、20周年記念に。
改めて思い返すと、
「人形は門外不出」という修業先から、良くぞここまで来たと思う。
たまたま理系に進んだことで簡単な設計図が描けたから
人形の胴を作ることができたのだが、
ともかく出会った多くの人たちに支えられ、助けられて
遅いながらも真っ直ぐに歩んでこれた。
そしてこれは多分、「大道芸」という場を選んだからこそできたと思える。

自然の中では、小手先だけの人形操作ではすぐにボロが出てしまう。
何度人形が上手く遣えず、悔しい思いをしたことか。
それでも遣い続けてきた。

今から10年ほど前であろうか、
初老の紳士から声を掛けられた。
「あなたはここ何年か、ここに出ているだろう」
「はい・・・・」
「上手くなったね」
これほど嬉しい言葉はなかった。

寄席の世界に入ったことも大きかった。
大いに受けた芸人の後に出る時の緊張感、
決して客に媚びず、真っ直ぐにぶつかってきた。
きっとこれが「切磋琢磨」なのだろう。

自分が遣う人形を見ながら、まだまだだなと思う。
10年後、どんな人形を遣っているのだろうか。
年を取った分、枯れて来るのだろうか、
しかし若いときとは違った「色気」が出ないものかと思っている。
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