マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

「運慶展」を観る

2017年10月05日 | 映画・美術・芝居・落語

 10月4日(水)の昨日、東博で「運慶展」を観て来た。
 間近で、真下で見上げる仏様たちは、迫力に満ち、時として眼光鋭く、生きてそこにおいでの如くだった。今年は5月に奈良博で「快慶展」を観ていたので、この5ヶ月間で、鎌倉時代に活躍した、偉大な仏師二人の作品を観たわけだが、「運慶・快慶」の順に語られるのが少しは分かったような気がした。


 9時30分の開館だが、混雑を予想して9時には列に並んだ。待ち行列の数をざっと数えると80数名。開館時刻には200名は並んでいただろうか、早く来て良かったと思った。
 今回は「東博」のHPで入念な事前学習をしておいた。
 この展示の構成は
 第1章 運慶を生んだ系譜ー康慶から運慶へ
 第2章 運慶の彫刻ーその独創性
 第3章 運慶風の展開ー運慶の息子と周辺の仏師
 と、時系列に沿った運慶以前・運慶・運慶以降との構成で分かり易い。
 この展示会には再度観に行く予定なので、今回のブログでは、膨大な作品群の中から特に印象に残った2作品のみに触れておきたい。
 まず出迎えてくれた仏さまは運慶作の国宝「大日如来坐像」。運慶の20歳代の作品で、奈良円成寺で発見された仏像だ。私は初めて見る仏像だが、2017/9/12のブログに書いた仏様だったからか、何故か親しみが感じられ、長時間鑑賞した。墨書銘には「運慶が父であり師匠の康慶のもと、1年近くかけて仏像一躬を造った」旨が書かれていた。玉眼が使用されてもいた。

 第2章の運慶の作品群が圧巻だった。展示作品16のうち国宝が6、重文が10。興福寺からは四天王像。実は今回の展示は「興福寺中金堂再建記念特別展」と副題がついている。今年の5月に興福寺に行った時に中金堂は建設途上で、来年の完成予定とのことだった。国宝館は耐震補強工事中の為、仮講堂で「天平乾漆群像展」を拝観した。実はそこで重文の「四天王像」を拝観したのだが、今回の展示では同じ興福寺から国宝「四天王像」が展示され、その像はダイナミックでリアルだった。この展示ではそれらの仏像を間近で拝観できるし、ぐるりと一周して観ることも可能だ。

 その時に初めて気が付いたのだが、四天王像のうちの多聞天像の姿がことさらに力強く感じられ、横顔の風貌は日本人離れして見えるのだ。そのポーズがややウサイン・ボルトの例のスタイルに似ている様な気がして「ボルト」だと言ったら妻に笑われてしまったが、兎も角忘れ得ぬ像となった。最近の研究から、現段階ではこの四天王像は運慶作とは断定されていないと『図録』には書かれていたが・・・。(写真:図録より。多聞天像)


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1 コメント

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Unknown (omachi)
2017-10-05 12:42:16
運慶展を観た方にWEB小説「北円堂の秘密」をお薦めします。
グーグル検索で無料で読めます。
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