崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「その痛みを私に…」

2012年05月18日 05時24分21秒 | エッセイ
 肋骨2本の骨折の家内と一緒に私の持病の診察を池田先生に受けるために行った。肺の機能をミステリーのように説明してくれた。家内は理解できても私は不十分であったが、後で家内から聞くことにして納得したよう頷いた。体内の一酸化炭素が多く含まれた空気は完全に排出されず、その上外から酸素の多く含んだ空気が入ると体内の残った空気が背部の上部に残っている。肺の上部になる。そこに酸素を嫌う結核菌がつきやすいので肺結核は肺の上部に多いという。私の肺の上部がその菌にやられて石灰化されている。先生はコウモリは肺の位地の上下が逆であり、下位に結核が多いという研究を紹介してくれた。私は古い病巣がまた活躍しているというだけが神秘的だと思った。
 がまん強い家内が痛みがある表情をみながら母を思い出す。私は小学校の時り左手の中指の先が炎症して田舎では軟膏もなく、オオムギの粉に醤油で混ぜたものを塗って、痛く夜眠れない時に母は「その痛みを私に…」と祈っていた。それぞれの母が偉大な人物とは言えなくとも子供にとってはこのような痛みをも共有したから「母は偉大な存在」なのである。

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