崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「見た人」と「読んだ人」

2012年04月21日 04時03分23秒 | エッセイ
通信制大学院のためにスタジオの映像カメラの前で「文化人類学」の講義を録画した。日本の人類学界で代表的な最近の著を2冊紹介した。定期購読する新聞の一つの「長周新聞」に『近代日本意識の成立』が紹介された「本棚」を読んだ。1ページの半分以上に、私が寄稿した論文他2人のものを含め詳細な記事が載っている。カメラの前で紹介した本の一つが新聞に載ったので偶然一致、以心伝心だろうか。献本もしていないのにわざわざ購読して書いてくださった竹下一記者に心から感謝したい。
 私の論文では植民地主義者といえる鳥居龍蔵、今村鞆、秋葉隆の3人に関して植民地主義的な言論、語録などを中心に紹介したものである。彼らをどう評価するかがポイントである。それは戦前の人を今の時点で非難する人への非難とも言える。植民地主義を今の時点で非難することは平和な通りで平和を叫ぶのようなものであり、またその批評こそ現在の「時流」に乗ったものではないかという批評であった。つまり彼らを非難批評するものへの私の再批評、そのポイントがキチンと把握され書いておられる。「見た人」と「読んだ人」の差が感じられた。

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