崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

安重根と伊藤博文

2012年04月20日 04時33分29秒 | エッセイ
「日本思想論」の講義で先週吉田松陰の松下村塾出身の伊藤博文について討論させた。進行方法としては私がパーワ―ポイントを使って問題提示をした後 韓国人、中国人、日本人のグループに分けて討議させてそれぞれ代表が発表し、私がまとめてコメントするようにした。伊藤博文は1905年大韓帝国が大日本帝国の保護国韓国統監府初代統監になっていたが、統監を辞任、枢密院議長になり1909年10月、満州・ハルビン駅で安重根によって暗殺された。ロシア軍に逮捕され日本の裁判を受けて旅順監獄で処刑された。安重根は韓国の英雄、伊藤博文は日本の英雄として記念されている。
 三つのグループはそれぞれ日本語、韓国語、中国語で活発に行われた。日本グループはその侵略の歴史は現在の日本人としては責任がないといい、中国グループからは残念な歴史であると発表をした。留学生たちは伊藤博文に関する知識が乏しかった。これからは3国を混ぜたグループに分けて行うことを考えている。安重根が伊藤博文を殺したこと、暗殺者が英雄化されるその基盤は「愛国主義」であるが、それが国際化されたときに混乱する問題、「殺すな」という倫理が普遍的ではないことを指摘した。留学が多く、わかりやすく話をしたが問題は深刻であることを受けとめていることを学生たちの表情で感じることができた。


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