昨日ソウルから下関へ帰宅した。アジアの大都会から閑散な田舎に戻った感がある。日韓関係が最悪といわれている時に帝国云々という研究課題を持っての訪問であった。その板挟みで活躍する朴裕河氏、日本近代史専門の金弼東氏と会って長く議論したのが特に有意義なことであった。韓国では一般的には進歩(左派)、保守(右派)と分けて話をすることが多い。日本に関しては右翼と左翼と言うが、安倍総理の名前が直接挙げられることが多い。そして一般的には吉田清治氏の嘘や朝日新聞の誤報も知られていない。日本人はすべての韓国人が日本に対して「反日虚像」を持っていると思っているようである。金氏は韓国の反日は日本人が考えているようなものではないという。日韓関係が悪くても80年代のような反日デモは一件も起きていない。彼は日本人がオバーに感じ取り、それが右翼化、右傾化して、嫌韓を増幅していると言う。韓国での古い反日が日本で新しく「嫌韓」になっていると指摘した。その根底には日本が韓国に追い越されるかも知れないという不安が内在しているからではないかという。鋭い。彼の本がすぐ出版されるというので注目してほしい。
写真は呉埰鉉館長所蔵「愛国班」新聞)
写真は呉埰鉉館長所蔵「愛国班」新聞)
親日?デモも起きてはいません。以前にもお聞きしましたが、「政府が、マスコミが、一部の反日勢力が、」と仰るのなら、何故それに対する反動が起きないのかと。教授の仰る日本よりも民主主義の先進国である韓国で、反日に対する反動が起きないうちは沈黙は賛意ととられています。