崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

独裁者の末路

2008年08月20日 07時15分59秒 | エッセイ
 パキスタンのムシャラフ大統領が辞任したことを聞いて韓国のことを思い出す。李承晩大統領が1960年辞任(「下野」)声明は感激的であった。朴正煕大統領暗殺事件もそうであった。私は李大統領が青瓦台から梨花荘へ一般市民に戻る様子を見るために参列した。市民は烈々に歓送した。突然の民主主義は社会混乱を起こした。軍事クーデターにより軍事独裁政権が続いて、1979年朴大統領暗殺事件で民主国家への一歩を踏み出す契機となると思ったら機会主義者の全氏が政権をとり独裁は続くようになった。
 ムシャラフ氏は一九九九年に軍事クーデターで政権を握り、二〇〇一年六月、自ら大統領に就いた。独裁者の中には金日成のように最後まで幸せに臨終したものもいたが、悲劇的な事件を伴うのが普通である。ムシャラフ氏の辞任は賢明であるといえる。ただ今後、民主化になるかはパキスタンの国民によって民主的で安定した政権の確立が必要であろう。パキスタンで全斗煥のような者が現れないように祈る。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿