崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

蜂蜜

2009年08月17日 05時50分00秒 | エッセイ
 甘さを好むのは日本人だけではない。甘さは世界的に普遍的に美味しさの基本である。また人間だけではない。甘いものには蟻が群がる。何より甘い蜜に生きる昆虫の蜂がいる。彼らが食べるために集めた蜂蜜が人間の高級な食べ物になっている。ギリシャ人の学者からお中元でギリシャ名産の蜂蜜「メロヂコMelodiko」が送られてきた。タイムthymeという芳香性のある薬草などの花から蜂が集めた蜂蜜であると書いてある。 
 昔から日本の食べ物は甘いと聞かされていた。長崎カステラには砂糖の砂が敷いてあるように感じられ、その他のお菓子なども甘さが私には過剰に感ずる。韓国の料理が辛さで本物の味が分からないというが、日本の食べ物は甘さで味が分かりにくい。甘い=美味しいものになっているのが多い。考えてみると砂糖によって食文化に革命が起きたようである。
 西洋が植民地に求めた主要な産物が砂糖であった。飴と鞭で国民を支配することさえできたとも言う。子供の時、母は冬に高粱で朝鮮飴を作ってくれた。終戦の日本からの解放日の飴玉のドロップスの味は忘れられない。蜂蜜を見ると母が苦い薬を飲んだ後、甘い蜂蜜を嘗めさせてくれたことを思い出す。今蜂蜜をためながら健康の薬と愛情を嘗めている。
 

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