崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

歴史に残る本 『日本の人類学』

2011年07月31日 05時39分16秒 | エッセイ
大阪国立民族学博物館での3年半のプロジェクトで共同研究をしてきた研究成果が山路勝彦編著『日本の人類学』として出版され、それが昨日が届いた。研究メンバーが全員野球のように各発表でだされた問題一つ一つをを長く熱心に議論した結晶版である。植民地主義、異文化研究、学術調査の歴史など、歴史に残る本である。774ページ、定価7000円で重さと値段で皆さんのご苦労が感じられる。私は日本留学から帰国して日本研究と自分の従来の研究テーマであるシャーマニズムを結びつけて日本植民地を正面から研究し始めて以来の研究の結晶のような気持ちである。「朝鮮総督府調査資料と民族学」という題で研究者の研究における他の研究者との協力関係とオリジナリティの尊重にポイントをおいて論じた。秋葉隆という大家の村山との先輩後輩関係、総督府との関係などを資料から読み取ったものである。それは私の論文が数回盗用されたことを念頭においたものでもある。若者が先行研究を読み取る姿勢を正す意味もある。
 私は毎回参加し意見を述べさせていただいた。関西大学の山路先生、京都大学の田中先生と鼎談をしたことが深く心に残る。出版会の田中氏をはじめ皆さんに心から御礼を申し上げたい。

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