崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

2050年に日本は先進国から転落

2012年04月19日 04時56分02秒 | エッセイ
 このエッセイは政策などを政策で賛否を述べるのが目的ではない。もっとも根本的な問題、考え方を示すものである。先日日本経団連の「21世紀政策研究所」の発表によると2050年まで長期予測し、人口減少により日本は先進国から転落するという。日本に住んでいる者として残念なニュースであった。このニュースは韓国や中国でも報道された。これは40年後の予測であるが、歴史的に見ても言えるものである。古代文明、ギリシャローマ文化などの現在と比較してみても経済的な進度は変化してきたからである。この発表は人口減少と経済成長を直接結びづけた予測であり、単純とは言っても無視することはできない。人口減少だけの問題であれば移民を多量に受け入れたら解決するだろう。
 より根本的なことは「先進国」という意味である。いろいろな国を歩いて見た者として、私は経済を含む生活環境、文化生活をもって「先進国」を考えている。ロンドンではゆっくり走る電車から乗下車する、インドネシアでは開門したまま走る、中国ではバスの屋根に荷物を積んで走るなどは直接経済で説明するより文化による差かもしれないと思う。
 日本に帰国してバスに乗って先進国を感ずる。中央から千キロほど離れた辺境地のバスに乗っても安心できる。座席毎に停止ボタン、「降りる際には危ないですからバスが完全に停車してからお立ちください」というアナウンス、バスから降りて段差をなくした歩道を歩きながら「先進国」を感ずる。先進国を目指す国々はまず「車より人」を優先するようなことから競争してほしい。

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