崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

革新的な人材欠如

2011年06月21日 06時03分37秒 | エッセイ
 先週中国で大学の総長会で耳ざわりなある話を聞いて気になる。日本は明治維新によって隆盛してきたが、最近の低迷の原因は「革新的な人材の欠如だ」と言った総長がいた。その人材を育てていくのが大学の使命であるという論法であることはわかる。しかし中国人から日本の低迷さを言われることは違和感がある。中国では地方都市でも日本の飛行場の庁舎のような大きさの建物が多く建設されており、日本をはるかに追い越していると思うのは正しくない。いくら短いスピーチといっても教育者は文化、政治、経済などを広く、遠く見て話をしなければならない。確かに日本の現状では革命的なつまり「革新的な」人材が欠如しているかもしれない。旧時代に比べると全国民上流化されたような楽しいことだけを求めるようになっている。革新よりは安定が欲しいかもしれない。
 総長の中には父子二人の参加に注目した。父上の経営を息子が見習い、革新的な経営者になりそうであるからである。独裁的な世襲でなければ父子継承は悪くない。私は父から何を継承しているのか。10才ころ父を亡くしたが、父からいただいた精神的な遺産は大きい。それは寒い冬にわが家の物置に寝る乞食を家に入れて、家族と共に寝かして虱で困惑したことがある。父親が他人のために貢献したことは広く知られていたが、私は困惑をしながらも体験を通して人を大切にする父の心を継承しているはずであるが、私はいつも不十分とは思う。それでもそれを思い出すだけでも父子継承の威力を痛感する。

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2 コメント

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6月21日 (岩下慶次)
2011-06-21 08:14:53
革新的な人材とは果たして育てられるのでしょうか?
らしい考え方だと感じました!
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Unknown (崔吉城)
2011-06-22 10:32:07
 教育が国力であることを認識すべきであろう。
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