イギリスとアイルランド滞在の 20日間お米を一度も食べていない。ここアイルランドの主産物はジャガイモである。ここで美味しい日本米のご飯を食べたいと言っても無理であろう。稲作文化圏から考えるとジャガイモばかり食べるのは貧しさを感ずるかもしれないが、ここでは基本的食物である。そのジャガイモが収穫できず数百万の人口が減った大危機の歴史がある。1840年代夏に平均気温が7度以下でジャガイモが成長できないのに加わえて病気が全国に広がって全く収穫ができなかった。当時はイギリスの植民地であったが、反英運動によるイギリスの救援政策が悪かったともいわれる。それよりジャガイモだけの単作も問題があった。この不作によって飢え死にした人が多く、またイギリスやアメリカへ移民した人も多い。アメリカには2百万人も、否それ以上移民したという。ある人はアイルランド出身のアメリカの大統領の名前を指を折りながら数えて自慢した。そして彼もアメリカへ移民したいと言っていた。不幸な歴史は必ずしも不幸な結果をもたらすわけではないという、私の持論を再度強調したい。
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