崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「つながり」

2012年05月08日 05時20分38秒 | エッセイ
広島大学時代の同僚であった高谷紀夫氏、上水流久彦氏、また嶋睦奥彦氏のつながりのある人たちの論文集『つながりの文化人類学』が送られてきて読んでいる。人類学の理論というより私の「つながり」はどうであろうかと考えるようになった。中国や台湾などの親族組織、西洋の血統や家族主義など文化それぞれ、人それぞれである。私はその「つながり」においてはとても弱い存在であるように感じる。私にもつながりというものがあるとしたら「子弟関係」といえるかもしれない。
 高校や大学、職場を変えながら現在に至っているが、10年以上勤めた啓明大学校と広島大学の教え子たちが頼りになっている。それは目的や意思を以て作ったものではない。短く2年間務めた慶南大学校でもつながりは太い。しかし陸軍士官学校や中部大学での縁が薄い。そちらは退職後一度も訪ねたことがない私の方に理由があるかもしれない。またある大学からは講演を頼まれて行くことにした。「つながりのない」ことは孤独を意味するか。そしてスパイダーのように糸の網を作る。ある人はその網の中に包まれて苦労する。。「つながり」と「孤独」は裏表であろう。
 
 高谷紀夫・沼崎一郎編 『つながりの文化人類学』東北大学出版会、2012
川口幸大、上水流久彦、玉城毅、杉本敦、吉田香世子、二階堂祐子、渋谷努、松本尚之、久保田亮の諸氏の執筆

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