崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

木暮実千代

2014年01月26日 06時04分43秒 | エッセイ
 
 昨日の朝、韓国から来られた元下関中等学校の派遣教員であった呉信媛氏が現在勤務している高校の女子学生4名を連れてきて邂逅した。そのグループの案内は石本弘之社長、韓国教育院長の金起万氏、日本人女子高校生の吉田さんであった。わが家族が加わった(写真上)。
 下関出身の美人女優木暮実千代の記念展示会、地元の人たちが懐かしく集まっているところを覗いてみた。シーモールのオープンフロアーで木暮実千代の甥(おい)である黒川鐘信氏の講演があった(写真下)。記念会会長の元自民党県連長の石崎幸亮氏、郷土作家古川薫氏が参席している。いわば地元に根を張っている人たちである。私は下関に移り住む前までは200本を超える作品に出演したという木暮実千代はもちろん田中絹代も全く知らなかった。地方では地元、郷土愛精神、村おこしなどで英雄化されることもある。私は地元の縄張りではなく、全国へ、さらに世界へ発信するいわば舞台を広げ国際化する要素はなんだろうと傾聴していた。
 元早稲田大学教授の黒川氏は戦前・戦中・戦後の叔母の女優人生を親族との関係の話も交えながら語った。伊藤博文や偉い男は妾を数人持っていた時代に大胆に活躍した女性として「きれいだ」と褒められていていたという。耳に残った言葉は木暮はあまりに多くの作品に出演したがために印象が薄かった、受賞経歴もないということばである。また「文芸春秋」企画の「昭和の美女ベスト50」には名前がなかった。ただ消えていった俳優であるという。そのような人が生き返って登場するところはやはり「地元」である。

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