下関韓国映画祭初日の「海女のリャンさん」を鑑賞した。朝鮮通信使研究家、故辛基秀氏が39年前に梁義憲さん(1916年生まれ)の海女さんの生活を撮影したものを基礎に、現在大阪で一人で暮らしをしている彼女の記録映像を交えて、夫を支え、7人の子供たちを育ててきたことを撮ったものである。済州島の海女として日本各地の海で働く様子や、帰国船で北朝鮮に子供達を送り出す姿が印象的である。88歳の彼女が「死ぬ前の旅」と思いながら北朝鮮を訪問し、子どもたちと再会し、また53年ぶりに故郷の韓国済州島へ訪問し、母の墓参りをした。そして日本に行くとき捨てて行った娘に会い、謝罪の言葉の代わりに彼女は「自分を恨まず時代を恨みなさい」いった。そして時代を生き抜いてきた悲劇を運命として受け入れながら生きてきたと説明した。しかし彼女は本当は謝罪の心で泣いてしまった。観客も共にもらい泣きをた。劇映画でもないドキュメンタリーがなぜこんなに人を感動させるのだろうか。そこには悲劇と喜劇の要素がある。実は観客たちもみな悲劇と喜劇の主人公になれる要素を持っているから感動するのである。
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