「いま朝鮮思想を語り合う」という題で国立民族博物館名誉教授中牧弘允先生の司会で京都大学の小倉紀蔵教授と「対談」したものが学会誌『文明研究・九州』12号に掲載されたものが届いた。私は著名なお二人に久しぶりにお会いし、打ち合わせなして対談したので不備なところがあるにしても新鮮さを感じた。学会の会員などとも多く対話、テープ起こしから編集まで大変お世話になった。ここに感謝を表したい。
私は小倉氏の『朝鮮思想全史』に、彼は私の『恨の人類学』などのシャーマニズムに触れられ、話が始まった。拙著の韓国語版もあるが、日本語版では読者の数が100倍以上であり、またこのように最高の学者から読んで頂きコメントを頂けるだけで嬉しい。いま紙出版の危機と言われているが、日本の読者層はまだ厚く、質が高い。著者たちも読者へ、より接近する努力が必要であろう。