崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「新婚さんいらっしゃい」

2016年08月29日 05時48分16秒 | 日記

 昨日は「新婚さんいらっしゃい」の司会者の気分であった。下関に在住した記者西嶋正法氏が結婚したばかりの新婦と一緒にわざわざ大分から来られて昼食を共にした。司会者のような私は新婦への話しかけに傾くようであった。特に彼女が文化人類学が好きであるところからレヴィストロースの話にまで膨らんだ。新婚さんの新婚旅行先の助言として私はシンガポール、バリ、サンペテロブルグ、フィンランド、パリーなどを勧めた。新郎がパリーには住んだことがあり学校に通ったこともあるという。私は勧める態度を後退するしかなかった。彼のお父さんがルソーの研究者、現役の教授であるという。私は話の主役の勢いを失い唖然とした。それは文学少年時代にルソーの『懺悔録』など特に「幸福な前半生」を読んで感銘を思い起こしたからである。

 西嶋氏とは韓国旅行も一緒にしたり頻繁に会って多くの話を交わしたはずなのにそのような話は初耳であった。ひと昔までは海外旅行の話は自慢話であり、パリの話をしなかったのだろうか、私が話を独占的に進行してしまい、彼が遠慮深くて話さなかったのかもしれないと反省をした。彼とは下関で記者として付き合い、それを超えて親しく付き合っている。私が入院中にはわざわざ大分からお見舞いに来てくださった。昨日は新婦と一緒に「新婚さんいらっしゃい」のようにこられて私が語る家内の私への看護、介護の話にも関心を見せておられた。お二人は凄く幸せに見えて、私たちも楽しく幸せだった。これからももっともっと幸せを祈っている。