崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「中国では物を売り、日本では学ぶ」

2014年09月01日 05時27分06秒 | 旅行
韓国から大学訪問のために来た高校生など29人を下関港で迎えた(写真)。団体の下船は時間がかかると思ったが、乗客が少なく予想以上早く降りた。閑散な港になった。日韓関係の悪化を反映している。記念写真を撮影してから全員の前で歓迎の挨拶をした。韓国は日本より中国に親しさが傾いていてロッテ百貨店内でも中国人の人波、中国風の秋夕名節雰囲気、仁川空港の煩雑さを見て中国化していくようで気になった。私は日本留学をして日本で生活している者として学生たちにいう言葉がある。「中国では物を売り、日本では学ぶ」ということ。その説明は不要かもしれない。皆が中国人のマナーや不正を思い浮かべるかもしれないが、私が言っているのは社会主義、共産主義、独裁政権など基本的なところを警戒している。豊かになれば「なに主義でもよろしい」という民衆の意思も尊重すべきであるが、自由な社会に向けて発展することが大事である。
 教会である老女と談話をした。彼女は30年ほど前から生活環境のよい日本に来ているという。今は韓国が住みよい国になっていると後悔するような表情であった。なぜ彼女をそうさせたのか聞いていない。それは日本が悪くなったということより韓国が発展したことを意味するだろう。韓国の変化の超スピードは驚くほどである。そして日本植民地から完全に脱皮しようとする。しかしエスカレーターの利用の仕方、商店の計算書の使い方など細かく生活のさまざまなマナーや行動様式には日本風のものが多く混ざっている。日韓は互いに真似しあっているのだろう。人は他人の姿を見習いながら成長する。決して恥ずかしいことではない。ただ「近墨者墨」つまり悪い者と親しくなって悪い人間になることは注意すべきである。