崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

ハルビンに安重根の銅像

2013年11月19日 04時08分21秒 | エッセイ
先程ラジオから昨日朴大統領が中国指導者とハルビンに安重根の銅像を作っていることを確認して満足したという話が流れた。その地域の朝鮮族の民俗記念館には安氏関連の資料が展示されているようであるが、さらに銅像を建てるということである。強大な建築ではないのでそれほど問題ではないかもしれないが国民感情や国際政治の問題を起こす憂いがあるので以前本欄で指摘したことがあり、ここで再考してみたい。日本人は一般的に伊藤博文を暗殺したテロリストの安重根を英雄化することには抵抗感を持っていると思われる。私もそのことについては賛同しているが、しかし日本史の中で暴力で社会を変えてきたことなどはどうなのかと疑問が残る。考えてみると明治維新も騎兵隊の討幕(反乱)という暴力によって始まったことであろう。暴力は個人に止まらず国家権力による戦争もそうである。暴力で点綴している歴史はさて置いて、今の状況から考えてみよう。朝鮮半島では安氏銅像建ての趣旨が受け入れられるかもしれないが、他方日本人には感情的に傷つけることになるだろう。朴大統領の「歴史認識を改めなければ日韓友好はない」ような態度は正しくない。
 コロンブスがアメリカ発見以降、新天地発見へ、帝国主義の植民地へ、今はグローバリズムと国際化への期待が大きく、ロマンスを持っている人が多い。しかし国際化の影には「国粋主義・ナショナリズム」という敵が隠れていることを知らなければならない。多くの韓国人から「女性大統領が問題だ」と聞かされたが、私はむしろ女性大統領を出した点が良かったと反論した。しかし今私は彼女の対日態度は良くないと思う。私の期待はずれの一号と言いたい。日本には100万以上の朝鮮系、韓国系の人が住んでいて、日本人と「共に生きる」「ヘートスピーチ反対運動」を起こしていることを配慮しなければならない。大統領を囲んでいる人たちの偏狭な知識、頑固な大統領の態度は是非直して欲しい。