崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「景観を守れ」

2013年11月01日 04時41分20秒 | エッセイ
 10年近く海辺に住んでいる。先日小倉に住んでいる映画人の飯山氏が訪ねてきて海を眺めて歓声をあげた。関門海峡の景観は実に美しい。海岸向きのマンションが次々と建てられている。私のマンションの近くに「景観を守れ」という旗が並べて掲げられている。そのマンションの前に高層マンションが新築される予告が立って1年近くなっても空き地になっていたがようやく地鎮祭が行われた。「景観を守れ」の旗はまだ撤去されていない。景観を求める側と守る側の争いがあるようである。しかし現在建っているマンションは裏の住宅街の景観を害している。このような開発は常に起こる。他人を害して、自分の徳を守るのは何処ででも繰り返されていることではないだろうか。以前は日本は企業の煙や車の排気ガスの汚染、水俣病の問題の国であって今、中国の環境汚染を警戒している。
 海峡を文化遺産へとアピールしようとする動きが下関にある。古川薫氏からその話を聞いて私が反応して対談などをしたいと思ったのが実現できそうである。今月16日東亜大学開学40周年記念講座で鵜澤副学長の司会で「関門国際都市と大学」古川薫氏の発題により地理学者の川村博忠氏と私が参席する形で進行すると予想する。日本人には島国根性があると言われるが島は開放的であるともいえる。丸山真男氏はいった。日本は後進地域のアジアの中で「西洋に開放されて後進性を自主的にきりひらいたのは、一九世紀においては日本だけであった」という。今は日本だけではない。韓国が海外同胞を太いパイプラインにして西洋化を急いでいる。日本はいつまで韓国や中国との関係を悪くしているつもりであろうか。(写真は海岸埋め立て工事)