崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

音楽、暴雨、暴力、戦争

2013年07月13日 15時34分53秒 | エッセイ
昨日2か所の行事に参加のために家内の運転で走る午後下関で酷い暴雨、車のワイパーの速度を最高に上げても間にあわない。すぐ晴れ、さらに降り出した恵みの雨で駐車場の全車が洗車状況、家を出るとき開けっ放した窓を心配、地域での被害など気にしながら目的地に向かった。まず民団側の主催のコンサートのお招きをスケジュールの調整が難しく、断ったが無理をして参加した。コンサートは300余人が集まり格調高く盛況であった。まず品格ある黄正吉団長の挨拶に続き、尺八と琴の演奏、チベット人のバイマーヤンジン氏の講演が行われた。バイマーヤンジン氏はチベットの遊牧の田舎で11人兄弟の9番目の娘として四川大学の音楽科に入り、日本人男性の斉藤氏と出会い、日本での4世代の大家族の中での結婚生活や体験をユーモアたっぷり語った。「日本語と言ってもひらがな、かたかな、漢字、外来語、敬語、大阪弁、男女語、なんと難しいことか」。水葬をしているチベット人から見た魚を丸ごと食べる日本人に驚かされ、牛の角が付いたままの頭肉を夫に進上した時の驚きの風景、日本の冬は寒くないのに大げさな服装、初めてのお風呂、虫が入っていない美味しいご飯、全自動化された家電生活、男女平等の日本、堂々と運転して出勤する姑、目まぐるしい体験談は好い証言であり、面白い話であった。予定時間が延びて途中で席を出ざるを得なかったのが残念であった。
 遅れて絹代塾に参加した。東亜大学の東講師のの「スターウォーズ」の上映と解説であった。1970年代ルカス監督の12時間ほどの大作・名作に関する東氏の博士論文の紹介であった。ロボットと仮装人などが多く含まれた登場人物、西洋と東洋、ギリシャ神話、キリスト教とアニミズムなどが調和した、肉体の父無し父探し、憎しみや暴力に勝利する物語りであることの説明、そして映画の一部を鑑賞した。6人に一人が見た映画を見ておらず、理解不足、早速ビデオショップへ行って借りてきた。これからウォーズ(戦争)が始まる。昨日は音楽、素晴らしいトーク、暴雨、暴力、戦争が混ざり、ハーモニーした本当に忙しく充実した日であった。


婚外子の相続

2013年07月13日 05時58分01秒 | エッセイ
先週ハーバード大学の講義をテーマにした映画「ペーパーチェース」を部分的に見せながら講義した。その「文化人類学」講義感想に荒瀬君の「天才が集まって競争するのが名門大学と言えるかもしれないが、好きな大学で自分で出来ることを誠実に成し遂げるのが良い」という文を読み上げた。映画の趣旨に合う内容であった。そして昨日の朝日新聞と毎日新聞(社説)の婚外子の相続に関してハーバード式で講義してみた。結婚していない男女の間で生まれた子供は結婚した男女の子供の半分という差別の民法が憲法に違反するという問題を出した。つまり婚姻届をしていない男女(親)の子供やいわば私生児などの子供でも子供は影響されず平等であるという最高裁の裁判のことである。
 まず「結婚していない」と「結婚した」の差について学生たちに意見を求めた。学生たちは民法に賛成意見をだした。婚姻届けをする結婚を優先してそれによって子供が差別されることは不平等ではないかと私が反論した。生まれた子供は親の性関係によって影響(差別)されるものでないと主張した。その時今池君が本当に親から子供が影響を受けないようにするためには相続自体が成り立たないのではないかと反論した。私は天才的な発言だと思った。相続法の意味を議論することにもなった。
 韓国で“鬼胎”という発言で政局が混乱している。この言葉は初耳であり、韓国の新造語かと調べてみたら日本発であるということである。 姜尚中氏著、『岸信介と朴正熙』の「朴正熙と岸信介が皮肉にも鬼胎の子」だというところから引用したという。妄言、失言なども日本そっくりでありながら日本嫌いが高調している。遺憾だと考える。嫌な人から学ぶという諺のように日韓は反日・嫌韓で学び争っている感がする。カリフォニアでは従軍慰安婦像をめぐって日系、韓系が激論しているという。私はそれを兄弟喧嘩のように受け止めている。