崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

酷暑

2013年07月24日 05時05分45秒 | エッセイ
 昨日35度以上の酷暑が続いている中,韓国からの80余名の学生たちの研修終了式に顔を出したとたん、突然指名され壇上で韓国語で挨拶、留学を勧める話をして、10余人の職員たちと出て行くバスに手を振った。この暑さでも我がマンションはロケーションがよく、まだ冷房はいらない。がこの暑さではただ何もせずボーと過ごすことはできても本を読むことなどは能率的ではない。数年前インドネシアの熱帯地方で1カ月ほど暮したことを思い出す。そこでは住民たちが暑さを凌ぐことが出来ても積極的な意欲を出せないことを観察した。1996年12月26日の私の現地調査ノートに韓国から移住した女性ガイドの言葉「資源が豊富、人は優しい、気候は適応できる」と記している。(写真は私の調査ノート)
 私は母が「頭は熱くなると悪くなる」と常につぶやいていたことを思い出す。温暖化や熱帯地域が広がるにつれて、緩んでのんびりする傾向が広がっていくかもしれない。我等は学習熱、研究熱など「…熱」という言葉を多く使っている。それは知識の熱であり、思考力の熱ではない。むしろ暑さでは思考力は低下する。地球規模から考えると競争熱は温帯地域でのことであろう。この夏の酷暑は熱帯地域での住民の気持ちを理解する体験ともいえる。思考力の低下に注意すべきである。