崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

韓国芸能界で自殺

2010年07月02日 05時45分56秒 | エッセイ
「冬のソナタ」でライバル役で知られているタレント・俳優・歌手のパク・ヨンハ氏が32歳で自殺した。警察の発表ではストレスで酒を飲み、衝動的な自殺だという。韓国芸能界で自殺が相次いでいる。2010年に入り「3人目」となり、2005年から芸能人14人が自殺したことになる。命を演技のように軽く扱っているかのように感ずる。しかし本人にとっては決してそうではないだろう。
 明治・大正時代の日本の文学作家たちの自殺を思い出す。それについては私は論文で書いたことがあり、今度の韓国語版の著作集NO.1で再び述べた。自殺はある意味では自分の人生のエンディングを成し遂げたことになる。いわば出世、成功を成し遂げた人でもそれを失って弱者、病人になって死んでいくこともあろう。それは生命あるものとして自然ではあるが出世主義の人生観からは惨めなエンディングになると思われるかもしれない。最高潮の人気のあるときハッピエンディングにしたいということだろうか。いろいろ苦悩はあったようにも報じられているが、本当に残念でもったいない、そして悲しいニュースである。本当の「死の意味」を考えてみるべきだと思う。