崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

死を受け入れる

2007年08月28日 06時05分49秒 | エッセイ
 麗水で十数年ぶりに郷土史家にあった。70才ころの彼は自書の本の日本語訳に強い意欲をもっており、ラジオ出演、地方の新聞に投稿するなど地方の有名人として意欲満々であった。しかし今度昔からの友情でホテルまで来てくれた。久しぶりに会って、病状がはっきりしているので驚いた。彼は生きる意欲を失って、死を覚悟しているように「死にたい」と言った。私は一瞬可哀相に感じたが、彼が死を受け入れていることは勇気のあることと思い直した。長生きの命の尊重しそうとともにこの世のことをあきらめて死を迎える態勢も必要である。死を受け入れる態勢は高齢の人だけではなく若い人にも必要である。