崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

集中講義へのコメント

2007年08月09日 06時16分06秒 | エッセイ
 大学院での集中講義には修士、博士8人が参加した。学生たちと有効な討論ができて楽しかった。もっと続けたい気持ちで終わった。久しぶりに自分の研究をまとめてみた。ある女子学生の感想文の一部をここに紹介する。

この集中講義を通して、私は、朝鮮が日本の支配下にあった頃の状況に、とても興味を持ちました。特に、巨文島以外の他の日本村における韓国人と日本人の関係です。私の父は、占領下の朝鮮で生まれました。祖父は朝鮮総督府に勤務していました。祖母の父も同様で、祖母は朝鮮で生まれ育ちました。父が5歳の頃、終戦となり、日本に引き揚げてきました。父を含め、父方の親族は皆、韓国人嫌いです。私の母の親族が在日韓国人と結婚した時も祝福できなかったくらいなので、根は深いです。しかし、なぜそんなに嫌うのか、何があったのか、あまり詳しく語ってくれません。何度か質問したことがあるのですが、「財産を全部失ったからだよ」という一言で片付けられてしまいます。生活の格差だけがショックだったのか、他にも何かあったのか、よくわかりません。余程嫌な思いをしたのだろう、とは思っていましたが、どんな状況だったのか、今回改めて興味を持ちました。