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スイスの詩人たち:Romie Lie(1)


■旧暦11月21日、日曜日、

(写真)Basler Muenster

朝、叔母のモニターと食事の用意。介護の度数が変わったので、ぼくと従弟で、食事の準備を週に何回かシェアしているのである。身体の不自由な独居老人は、ささいなことで、気持ちが乱れる。昨日、行きつけの病院で、医師と話していて、ケアハウスは、悪いとは限らないという話を聴いて、だいぶ、気分が楽になった。当人が、施設を嫌がっているので、今は、具体的に検討していないが、認知症の進行具合などを見ながら、判断することになるだろう。

午後、仕事部屋、風呂、トイレの掃除。部屋の本や雑誌のたぐいを何とかしたいが、収納スペースがもともとないので、困ったものである。夕方、いつもの喫茶店で、資料を読む。

『怠け数学者の記』読了。後半の「プリンストンだより」が日記風で一番面白かった。小平さんは、自分に正直で、随所に、一流の数学者だと思わせる記述がある。面白いのは、数学的実在があると信じていることで、新しい定理は「発見された」と考える。小平さんをプリンストンへ呼んだ、ヘルマン・ワイルが数学は人間の創造的活動の産物だと考えている点も、対照的で興味深い。アインシュタインやゲーデル、朝永振一郎や湯川秀樹など、そうそうたる物理学者、数学者の人間的な日常も描かれていて楽しかった。



AUFWIND

sehnsucht
in der schwebe

ragt
aus der liebe
und

ist nicht
von mir



上昇気流


空に
郷愁が

愛から
立ち上る
だが


わたしの
郷愁ではない


詩集『AUFWIND』(2009)より

Romie Lieは1954年スイス、エメンタール生まれの女性詩人。フランス語を母語として育つ。ドイツ語は学校で習得。小説も10年書いている。看護師の専門教育を受ける。1990年から、さまざまな機関で創作ワークショップを指導。ベルン近郊のヴォーレン在住。ラジオ用の詩の創作やアンソロジーへの参加、文学雑誌への寄稿を行っている。

ベルン大聖堂近くの小さな書店で、店員のおばちゃんに探してもらった詩集の一冊。パラパラ見て、俳句の影響を感じて入手した。甘ったるい詩句のようにも感じられるが、ist nicht von mirと否定で終わっている。シンプルに書かれたドイツ語も繰り返し読むと、魅力的。



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