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Cioranを読む(19)


■旧暦2月3日、月曜日、

(写真)湖の道

朝、起きたら、大雪だった。春の雪。びっくりした。

この3月で、娘が法政を卒業するのだが、学部で首席。総代で卒業証書を受け取るという。ちょっと、びっくりした。親のぼくは、あまりぱっとしないが、娘は優秀なのである。驚いてから、気合いが入った。親ばかで申し訳ない…。

夕方から、叔母の病院へ。今後のリハビリ計画について話を聞いてくる。とにかく、病院が近いので助かる。バスで15分強なのである。他、土曜日の退院に向けての諸々の手配・調整など。疲れるが、父亡き後、すいぶん、世話になった人なので、これも仕事なのである。



Plus l'homme avance, moins il aura à quoise convertir.
Cioran Aveux et Anathèmes GALLIMARD 1987 p. 14

人間、歳を重ねるほど、思想を変えるのが難しくなる

■日本語にしてしまうと、なんだ、あたり前じゃないか、と思うかもしれないが、フランス語に即してよく検討してみると、含意は複雑だと思える。歳を取れば、頭が固くなるから、それまでの思想を変えるのは難しい。そのように、日本語訳では読めるし、事実、そういう含意も、あると思う。ただ、フランス語で面白いのは、歳を取るにつれて、回心すべき宗教や、変えるべき思想・意見が少なくなるとも読めるのである。つまりは、自分が変わっていった果てに、変えるべき対象の選択肢が狭まる、とも読めてくるのである。ぼくは、こっちの方が、解釈としては好きであるが、このニュアンスを生かす訳文が、作れなかった。…となると癪なので、

人間、歳をとるほど、宗旨替えしたくなるような思想はなくなる

こんな感じだろうか。












コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
おめでとう (takata)
2011-03-08 21:50:21
首席でのご卒業おめでとうございます。
しっかりしたお嬢様ですね。
院には行かれますか?

わが娘にも報告しておきます。

御詩集について、なにか書こうとは思っておりますが、批評は苦手ですので、遅くなるかも。
ごめんなさい。
 
 
 
Unknown (冬月)
2011-03-08 22:33:23
■ありがとうございます。いえ、しっかりはしていないんですよ。甘えん坊です。今は、院は考えず、認知症の特養に就職が決まっています。そこは、スウェーデン留学も可能なので、研鑽するように言っています。

詩集は、読んでいただいただけでいいんですよ。批評されるよりも、読者の記憶に残る方が嬉しいです。

 
 
 
おめでとうございます! (こめつが)
2011-03-10 11:07:09
 『耳の眠り』お送りいただきましてありがとうございました。コメントを、と思いながら、テープ収録に追われていたので、失礼することになってしまいました。印象的な言葉があって、そんな言葉を追いながら、携帯してぽつぽつと読ませていただいています。
写真の「道シリーズ」は佳作が多く、楽しみに拝見しています。
 お嬢様の優秀な成績でのご卒業も、おめでとうございます。きっと輝く未来が開けることでしょう。
 
 
 
 
Unknown (冬月)
2011-03-10 12:13:53
■ありがとうございます。

詩集は、時間のあるときにお読みいただければ幸いです。

娘も卒業で、一区切りついた気はしますね。

 
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