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往還日誌(98)





■10月15日、日曜日。御所。

朝6時に起きる。珈琲を淹れてぼんやりする。

ガザは2008年12月~2009年1月のガザ紛争のときに「ガザ」という詩を書いて以降、ずっと関心がある。

なんとかしてやりたいが、できることは、直接支援に入っている国際NGOに寄付することくらいだろうか。

もう人生も後半に入った。困っている人を助けたい、という気分になるのは、人間はいずれ死ぬ、という真実がリアルに実感されてくるからだろう。

朝、ルソー読書会。今回もかなり面白く議論は白熱した。ひとつ思ったのは、科学ともう一度正面から向き合う必要があるな、ということである。3.11以降、集中的に、科学について批判的に思索して、その成果は、不十分ながら、東京情報大学のレクチャー・シリーズに結実した。社会哲学者の石塚省二先生が、情報文化学科長として、まだ存命中の頃だった。

これで、社会哲学・社会学のテーマは、3つ出そろった。TB-LB Theory、A theory of Manipulation、科学の社会哲学。TB-LB Theoryは、ここ数年多忙で、だいぶ、間が空いてしまったが、アップデートしたものを、12月の公開講座等で発表するため、時間を作って思索を再開したいと思っている。興味を持ってくれる人もいるので。

午後から、京都へ移動。数学書を読んでいたが、どうしてもわからなくて、名古屋の手前あたりから、熟睡してしまった。

今回の上洛は、妻が、玄米2.5キロを精米して持たせてくれたので、スーツケースを用意して、ほかに、本も数冊入れ込んだので、かなり荷物が重くなり、JRの乗り換えの階段で苦労した。

一定庵に着いて、荷物をほどいて、第4詩集『20の物と2つの場の言葉』の三校に目を通した。あす、返送して、手が離れる。ロミーのアブストラクトを詩集の表紙に使っているので、どういう仕上がりになるのか、楽しみにしている。ロミー自身も大変喜んでいる。

ここまで終えると、もうきょうは、いいや、という気分になって、『ライオンキッチン』に食事に出た。



ここにはその詩はない

だから これは詩ではない

その詩はどこにあるのか

突き刺さるものの中にか

あふれ出るものの中にか

かっと見開いたものの中にか

ここにはその詩はない

女のまなざし

座り込んだ背中

散らばったサンダル

天のしづけさ

わたしは笑うことも

歌うことも

悲しむことも

怒ることもできない

夜の雪はめまいであり

冬の銀河は耳鳴りである



詩「ガザ」(詩集『耳の眠り』2011年より)




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一日一句(3081)







方丈の不語良寛は秋のひと






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